ジャン=リュック・ゴダール監督・脚本・出演の短編映画『ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争』が2月23日から新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開される。同作は、昨年9月に亡くなったジャン=リュック・ゴダール監督が手掛けた最後の作品。手書きの文字、絵、写真、映像がコラージュされ、音楽やナレーションが一つになった、彼の芸術の集大成とも言える作品になっているという。撮影、編集を担当したファブリス・アラーニョは「ジャン=リュックは紙に付箋を付けて映画のリズムをイメージし、映像と音を指示していたのです。私の目の前に映像が広がるのが見えました。今、この瞬間に存在する映画でした。驚くほどシンプルながら、映像と音が整っていくさまは、とても力強いと感じました。ジャン=リュックはこの映画を見て、“これが私の最高傑作だ”と言いました」と語っている。製作はサンローランプロダクション。サンローランのクリエイティブディレクターであるアンソニー・ヴァカレロは「本作を通じて、ジャン=リュック・ゴダールの類を見ない創作の過程のあらましが明らかになる」と述べ、「そして同時に、決して日の目を見ることのない映画について、芸術家が思い浮かべたアイデアや参照元、イメージなどを示す草案でもある」と紹介した。