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アロンソ、F1でニューウェイと仕事をする願いは叶わずも「彼と同じ環境で仕事ができたことはとても幸運だった」

2023年12月19日 14:30  AUTOSPORT web

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2023年F1第9戦カナダGP エイドリアン・ニューウェイ(レッドブル チーフテクニカルオフィサー)&2位フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
 フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、F1で多くの優れたエンジニアたちと関わり、非常に豊かなキャリアを享受してきたが、彼の輝かしいキャリアのなかでも、デザインの第一人者であるエイドリアン・ニューウェイと仕事をする願望は叶わなかったと認めている。

 ニューウェイはF1史上最も著名で影響力のある人物のひとりだ。彼はマシンをデザインすることでチームとドライバーを比類のない成功へと導き、F1における真の革新者として彼のレガシーを確固たるものにした。エンジニアリングの天才であるニューウェイは、圧倒的強さを誇るレッドブルの2023年型マシン『RB19』のコンセプトを監督したが、単なるデザインの域を超越し、技術レベルでF1の軌跡そのものを形作った。

 最近マックス・フェルスタッペンがレッドブルで挙げた勝利は、ニューウェイのレガシーをさらに確かなものにし、彼の業績を12回のコンストラクターズタイトルと13回のドライバーズタイトルという驚異的な記録に押し上げた。ニューウェイはウイリアムズ、マクラーレン、レッドブルを通じてF1に目覚ましい影響を与えた。

 ニューウェイがデザインしたマシンでタイトルの栄光を手にしたドライバーは、まさに伝説的としか言いようがない。それはナイジェル・マンセル、アラン・プロスト、デイモン・ヒル、ジャック・ビルヌーブ、ミカ・ハッキネン、セバスチャン・ベッテル、そしてフェルスタッペンだ。

 興味深いことに、これらの人物はニューウェイのマシンに関連するチャンピオンたちであるにもかかわらず、顕著な欠落がある。ニューウェイは、今年出演したポッドキャスト『Beyond the Grid』のなかで、彼が一緒に仕事をしたいと思っていたふたりのドライバーのうちのひとりとして、アロンソを挙げた。

「フェルナンドかルイス(・ハミルトン)と仕事ができたら素晴らしかっただろうけれど、そうはならなかった」とニューウェイは語った。

「ただそういう状況だったというだけで、こういうこともあるものだ」

 最近、アロンソはニューウェイのコメントに対して次のように述べた。

「何カ月か前に僕も(それを)読んだ。正直に言って(ニューウェイは)このスポーツのレジェンドだ」

「何度か一緒に仕事をする直前までいったことがあり、そのことについて話し合った。彼が何年か前に本を出版した時、僕はスペインで序文を書く栄誉に浴したのを覚えている」

 しかしながらアロンソは、ニューウェイと同時代にF1にいることは、彼にとってすでに特権だったと述べた。

「僕にとっては素晴らしい人で、たとえ一緒に仕事をしたことがなくても、彼と同じ環境で仕事ができたことはとても幸運だった」とアロンソは『Formula1.com』に語った。

「エイドリアン・ニューウェイがF1マシンを作っているこの時代に自分が生きていて、ドライビングをしていることをうれしく思っている。いつか彼と仕事ができたらいいんだけどね。プライベートでヴァルキリー(アストンマーティンのハイパーカー)をドライブするつもりだが、乗り込んだらすでに何かを感じるかもしれない。そうしたら僕は幸せな気持ちになるだろうね!」

 ニューウェイと仕事をしていたら、F1で3回以上世界タイトルを獲得できていたかと尋ねられたアロンソは、おどけた調子で答えた。

「彼には、タイトルを獲れなかった19人のドライバーに対する20年分の責任があるよ!」