栃木県に住む30代後半の男性(エンジニア/年収700万円)は、職場のA先輩から「ウジ虫、死ね、やる気がないならやめろ」などと毎日罵倒され、無理難題を押し付けられ、書類を投げつけられるなどのパワハラを受けていた。
鬱になりかけた男性は被害をB課長に相談したが、B課長はAをマネージャーに推薦していた手前、パワハラを隠蔽したという。その後、男性はチームを異動し、Aと関わりはなくなったが……。
「私の後任になった後輩C君はAからパワハラを私と同じように受けていました。 AはC君に対して、お前の嫁を犯すぞ。死ねやクズなど、毎日罵詈雑言を浴びせたそうです」
Aは自分より下の立場にはとことん横暴に振る舞う人間のようだ。男性は以前C君と同じ部署だったこともあって心配になり「今のうちに証拠を集めるように進言」した。
するとC君は少しの期間にかなりの量の証拠を集めていた。その証拠を持って相談に行った相手はB課長ではなく「私とC君のことを親身に思ってくれている元上司D課長」。この相談がきっかけとなり、事態は好転することとなる。(文:國伊レン)
「私がいたチーム全員と個別面談し、事実確認」
C君が集めた証拠と共に相談に向かった先は元上司のD課長。D課長は「とても社員思い」な人柄で、かつて男性がパワハラを受けている時から「よく相談に乗ってもらっていた」そうだ。パワハラの事実を知ったD課長は、
「C君の証拠を確認すると即行で部長に報告。Aのパワハラ事実を知って激怒した部長は人事部長に報告」
というように、上へ上へと報告が進み、
「すぐさま本社から人事部長が飛んできて私がいたチーム全員と個別面談し、事実確認。その間、Aは部署から隔離&出入り禁止」
となった。男性が事実確認の際に「Aのパワハラ行動でとっていた音声とメモを全て提出」したところ、その証拠を確認した人事部長は、被害者である男性とC君の気持ちに寄り添ってくれ、代わりに謝罪してくれたという。
「その後、Aは懲戒処分。しかし最も罪が軽い口頭訓告&反省文でした」
Aの処分が決まった後、チーム全員に対して部長から「ことの経緯を説明」がされた。
「チームでパワハラというコンプライアンス違反が出たこと。最も罪が軽い口頭訓告だが次に同じことが発覚したら懲戒解雇とのこと」
こうして懲戒処分となったAは男性の部署を出禁になり、遠くへ異動することになったそうだ。また、Aをマネージャーに推薦し、彼のパワハラを隠蔽したB課長も遠くへ異動することとなった。
「ウジ虫と言われた私は今はチームリーダー」一方でAは異動先で裁判沙汰に
「かなり大事件になりました」と当時を振り返る男性。しかし「風の噂ではAは異動先でも問題行動を起こしており裁判沙汰になっている」らしく、懲戒処分で反省したのかも怪しい。
「異動前になんで俺がパワハラ疑惑をかけられるんだと言っていたそうですが、なによりその考え自体が問題と感じたのは言うまでもありません。Aは何が問題かわかっていない以上、おそらくまた同じ問題を起こすと思っています」
一方で男性とC君は異動になり、各々の部署で、
「お互い今の上司は優しく業務に集中でき、ベストパフォーマンスを出せています」
と活躍している様子。今の男性には後輩が何人も付いており、英語での会議や海外客先との折衝を行っている。さらに、新人のOJTリーダーも任され、新人教育にも励んでいるそう。
また、男性とC君を救ってくれた「D課長は今は海外で部長になり活躍しています」と明かす。部下から信頼されている上司は、やはり華々しい出世をするもの。男性はそんなD課長の背中を追いかけているのだろうか。
「私も後輩にはパワハラを一切せずに今の上司から信頼され、来年1月には2週間の海外出張に行く予定です」
「Aからウジ虫と言われた 私は今はチームリーダー」
と誇らしげに綴った。
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