絶縁の相手は友人だけではない。血縁関係のある親戚と絶縁することもあり得るからだ。岐阜県の50代前半の女性(専門職/年収450万円)が絶縁を決めた相手は「従姉妹」になる。
従姉妹とは「友人のようなノリの関係」であったことを振り返る。女性には兄弟がいないため、従姉妹を「職場の緊急連絡先」にしていたそうだが、これが後に最悪な結末を引き起こすこととなる。(文:長田コウ)
「さして親しくもない人に喋るなんて」
女性は従姉妹の性格について、こう明かす。
「口が軽くて、秘密だと言っても絶対にぺらぺら喋る」
「人の言うことを真に受けやすい」
この性格がゆえに、女性が流産したことをも、従姉妹の友人に言いふらしていたという。これを知った女性は「そんなナーバスな問題を、さして親しくもない人に喋るなんて」と、相当なショックを受けたそう。このときの心境をこう振り返る。
「従姉妹の友人、私にとっては知り合いレベルの人から『残念だったね』と言われた時は泣きそうになり、どうして話したのか、と電話で咎めても、何が悪いのかわからない、といった態度でした」
口が軽いということをまさに体現したような従姉妹だが、女性が絶縁を思い立ったきっかけは、「転職の時」だった。当時、女性が働いていた職場は「いわゆるブラックで、なかなか辞めさせてくれない」ところだった。女性が「代理人(弁護士)をたてて離職」しようとしていた矢先でのことだった。
「緊急連絡先が従姉妹になっていたので、会社が従姉妹に連絡。従姉妹はあることないことを吹き込まれて、なんと会社の味方になってしまい、LINEや電話してくるようになってしまいました。熱があると言っているのに呼び出してくる」
何でも真に受けやすい性格であるがゆえの行動だろう。女性の言うことよりも、会社側の指示に従うようになってしまったのだ。
「弁護士を立てて会社とやりとりしているから、会社からかかってきても取り合わないでくれ、電話をとらないで、うるさいならブロックして、といっても聞かない。勝手に、『私(女性)から会社に連絡をさせます!』と約束してしまい、それを強要してくる結末」
従姉妹に振り回され、女性は弁護士を立てた意味を見失いそうになったのだろう。ついに、従姉妹からの「電話やLINEを無視」するようになった。「ブロックまでは…と遠慮していた」女性だが、決意を強めるある出来事が起きる。
「このまま縁を切られたら、老後どうしよう云々、老後は私(女性)の家を貰うつもりだったのに云々と長文LINEが来て、怖くなってブロックしました。家をあげたら私はどこに住むというのか」
そして、こうきっぱり言い切った。
「いない方がマシな親戚、友人っていると思います」
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