2023年12月15日 19:01 弁護士ドットコム
難民申請中のナイジェリア人、オブエザ・エリザベス・アルオリウォさん(55歳)に在留特別許可を求める意見書案が、エリザベスさんの住む茨城県牛久市議会で12月15日、賛成多数で可決された。
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今後、牛久市議会として、法務省や出入国在留管理庁などに対して、在留特別許可を求める意見書を提出する。
市議会終了後の記者会見で、エリザベスさんは「今日は私の一番いい日」「いつも神さま、誰かが私を見つけてくれるようにとお祈りしている。きょうは本当にありがとうございます」と喜びを口にした。
エリザベスさんは1991年、女性器切除(FGM)の強制から逃れるために来日した。また、「ビアフラ」という地域の民族組織のメンバーであるため、もし仮にナイジェリアに強制送還された場合、逮捕や処刑されるおそれがあるという。
これまで2回にわたって難民申請しているが、いまだに認定されておらず、日常の暮らしが制限される「仮放免」という立場だ。しかし、牛久市にある東日本入国管理センターに収容されている外国人を支援する活動に身を捧げている。
今回の意見書可決の原動力となったのは、茨城県民の思いだった。エリザベスさんを取り上げたドキュメンタリー番組『エリザベス この世界に愛を』(ETV特集/2021年1月)を観た人たちが市民グループ「with Elizabeth」を立ち上げた。
今年春には2度も、在留特別許可を求めるネット署名(現在までに計約3万8000筆)を法務大臣宛に提出した。しかし、まったく動きがなかったため、今年10月に入って、エリザベスさんが住む牛久市を中心に署名(1247筆)を集めて、市議会に請願していた。
「with Elizabeth」の柳沢由実子さんは、記者会見で「私たちの請願が意見書として法務大臣と入管庁に届けられるということが、すごくうれしくて感激しています」と話していた。