2023年12月15日 10:11 弁護士ドットコム
女優の遠野なぎこさんが、年下の婚約者との破局を発表した。遠野さんは12月13日、『バラいろダンディ』(TOKYO MX)の出演時に発表するとともに、自身のインスタグラムで「婚約していた彼とは、先週お別れしました。自分から、さようならを告げました。(中略)また懲りずに、マッチングアプリの日々を送っています(笑)」と投稿した。
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3度の離婚歴のある遠野さんだが、今年11月に年下の恋人との婚約を発表したばかりだった。『バラいろダンディ』に出演した際、遠野さんは婚約破棄の理由について「LINEで毎日一回は、おはよう、おやすみと連絡取り合おうって約束」をしていたが、相手が「その約束を破ったんですよ」と明かしていた。
この数日前から遠野さんはインスタで「このままだと、頭が変になりそう。こんなの恋愛って呼ぶのだろうか。1人で悶々として馬鹿みたい。イジメられているみたい」などと投稿するなど、関係性は少しずつ悪化していたようだ。
しかし「毎日連絡する」という約束が守られなかっただけで婚約破棄というのは、いささか相手に厳しすぎるようにも感じられる。これは正当な婚約破棄の理由になるのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。
——詳細は当事者にしかわかりませんが、仮に「LINEで毎日連絡する」という約束が守られなかったことが理由だった場合、正当な婚約破棄の理由となるのでしょうか?
同種のケースについて裁判例も見当たらず、私の個人的な見解になりますが、正当な婚約破棄の理由にならないのではと考えます。その場合の慰謝料ですが、かなり低額になると思いますが支払う必要があると考えます。
まず、婚約破棄について正当な理由があるか否かについては「信義の観念と婚姻の本質とに鑑みて決すべき」とされています。
「LINEで毎日一回は、おはよう、おやすみと連絡を取り合おうって約束」ですが、やむを得ず1回ないし数回破ってしまった場合、世間一般の人の感覚からして婚約当事者間の信頼関係を維持できない行為とまではいえないと思います。また一般的にみて、婚姻に支障をもらたすような行為ともいえないと思います。
したがって、正当な婚約破棄の理由にならないのではと考えます。
——慰謝料についてはどう考えられますか? 慰謝料の額は、婚約期間、交際の程度、婚約破棄の事情などによって決まり、離婚の場合の慰謝料に比べかなりの低額になります。
遠野さんの場合、婚約破棄の事情としては不当でも相手に一応約束違反はあったわけですし、婚約期間も短いですし、仮に慰謝料を支払うことになるとしても、かなりの低額ではと考えます。
【取材協力弁護士】
冨本 和男(とみもと・かずお)弁護士
債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。
事務所名:法律事務所あすか
事務所URL:http://www.aska-law.jp