2023年12月14日 15:51 弁護士ドットコム
空港の手荷物検査で「みたらし団子」を没収されたので、その場で食べたらドン引きされた――。
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関西国際空港から国際線に乗ろうとした男性のX投稿が注目を集めています。「みたらし団子」が大好きという男性は、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールでオペラ歌手として活躍する市川敏雅さんです。なぜ、みたらし団子は保安検査場で没収されてしまったのでしょうか。
「事件」は、韓国ソウルへコンサートの代打歌手として依頼を受けた市川さんが、関空で国際線に乗り込もうとした際に起きました。みたらし団子没収の「謎」をめぐり、エックス(旧ツイッター)上では、さまざまな推理がされました。たとえば「みたらし団子のタレが液体物とみなされた」「みたらし団子の串が危険だった」という説です。
そこで、弁護士ドットコムニュースが、国交省の航空保安対策室の担当者に「関空の国際線で、みたらし団子が手荷物検査で止められたそうなのですが…」と尋ねたところ、「液体物持込制限だと思われます」と即答が返ってきました。
国交省の公式サイトによると、日本を出発するすべての国際線において、液体物の持ち込みが制限されているとのことです。これは、国際民間航空機関(ICAO)が決定した国際的なルールに沿って決められたものと説明されています。
国交省や各空港では、持ち込みが制限されている液体物のリストも公開されています。リストには、「清涼飲料」や「アルコール飲料」「調味料」「食用油」などが挙げられています。
ジュースやお酒のほかは、ピーナッツバターやジャム、マーガリン、生クリーム、カレー、雑炊なども含まれています。
また、「菓子作りの材料」として、練りあんやこしあんも挙げられているほか、「デザート」として、あんみつ、おしるこ、ぜんざい、みつ豆なども制限がかかっており、ペースト状のものでも禁止されていることがわかります。
なお、どうしても持ち込みたい場合は「1つあたり100ミリリットル以下の容器に入れ、総量1リットル以下の再封可能な透明なプラスチック袋(いわゆるジッパー付き)に封入したものであれば、各人一袋まで機内(客室内)持込は可能」とのことです(国交省「国際線の航空機内への液体物持込制限について(Q&A)」より)。
医薬品やベビーフードなどの例外はありますが、それ以外の液体物は、保安検査場で廃棄させられてしまうので、心配な人は、制限対象となっている液体物のリストを確認してみるのが良さそうです。
なお、市川さんは帰国後、無事に大好きな「甘党まえだ」のみたらし団子を食べられたそうです。市川さんのポストには、みたらし団子好きな人からのレスポンスがたくさん寄せられています。