カラム・アイロットが、WEC世界耐久選手権でカスタマー向けの『ポルシェ963』を走らせるハーツ・チーム・JOTAのプログラムに参加し、2024年シーズンのWECハイパーカークラスにフル参戦することが発表された。
NTTインディカー・シリーズでの2シーズンを終えてWECにやってくるイギリス人ドライバーは、ノーマン・ナト、フィル・ハンソンとともに今週月曜日に発表されたJOTAの新しいドライバーのひとりだ。
アイロットとナトは、以前発表されたウィル・スティーブンスとともに、新しく登場する12号車ポルシェ963のステアリングを共有し、ハンソンはオリバー・ラスムッセンとともに既存の38号車に乗り込むこととなった。
25歳のアイロットは、シングルシーター・レーシングの世界での活躍でよく知られているが、スポーツカーレースにおいても名を知られる存在だ。2021年にはアイアン・リンクスのフェラーリ488 GT3エボでファナテック・GTワールド・チャレンジ・ヨーロッパにフル参戦している。また同年には、同じくアイアン・リンクスからル・マン24時間レースにもデビューし、マッテオ・クレッソーニ、リノ・マストロナルディとともに488 GTEを駆り、LM-GTEアマクラスで3位表彰台を獲得した。
さらに、2023年にはライト・モータースポーツが走らせるポルシェ911 GT3 Rのコクピットに収まり、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ第4戦インディアナポリス8時間レースにも出場している。
「ハーツ・チーム・JOTAのポルシェを(WECの)トップクラスで走らせることになり、とても興奮している」とアイロットは語った。
「最近(カタールで)2日間のテストを行なったが、クルマのフィーリングは素晴らしく、ドライブするのが楽しかった」
「僕はこのチームに非常に感銘を受けた。彼らは信じられないほどプロフェッショナルだ。来シーズンは上位を狙えるだろうし、ル・マンでの成功を願っている」
■ナトは一部欠場か
アイロット、スティーブンスとチームを組むナトは、2022年にリアルチーム・バイ・WRTからLMP2クラスに参戦して以来、1シーズンぶりのWEC復帰となる。
11月にバーレーンで行われたWECルーキーテストでJOTAのポルシェ963をドライブしたフランス人ドライバーは、2019/2020シーズンにレベリオン・レーシングでトップカテゴリー(当時のLMP1クラス)の経験を積んでいる。
しかし、ナトはアンドレッティ・オートスポートとのフォーミュラEプログラムとの兼ね合いから、5月に行われる第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースを欠場する可能性が高いとみられている。
38号車のドライバーとして迎えられたハンソンは、LMP2の“強豪”ユナイテッド・オートスポーツで4シーズンWECに参戦した後、ハイパーカークラスにステップアップする予定だ。
このイギリス人ドライバーは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のミシュラン・エンデュランス・カップで、同じくポルシェのLMDhマシンをオペレートするJDCミラー・モータースポーツのサードドライバーを務めることがすでに決定している。