2023年シーズンのF1最終戦アブダビGPの後にソーシャルメディアに現れた写真に、F1ファンは少し驚いた。メルセデスF1のチーム代表トト・ウォルフと、レッドブルF1のチーム代表クリスチャン・ホーナーが、まるで最高の仲間のように写っている写真だったのだ。
ふたりは最近、激しく辛辣な応酬を繰り広げてきたため、レッドブルが支配する長いシーズンの最後に彼らが満面の笑顔を見せたことは予想外だった。ウォルフは、レースとなれば彼らは今も最高の友人兼敵であり、激しいライバル同士だと主張したが、ライバルの功績を認めることは正しいことだとも述べた。
「友だち? 最後に握手をしたのは2021年の最後のレース前だったかもしれない」とウォルフはオーストリアのメディア『OE24』に語った。
「だが競争相手のパフォーマンスは認めなければならない。私はレッドブルF1チームが達成したことに敬意を払っている」
ウォルフとホーナーの写真は、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が1シーズンの勝利記録を19勝に伸ばしたばかりのヤス・マリーナ・サーキットで撮影された。ウォルフは写真の背景について、レッドブルの共同オーナーであるマーク・マテシッツのグループと一緒にいたホーナーと彼の妻ジェリに、偶然パドックで遭遇したためだと説明した。
「あの時はパドックを出る途中だった」とウォルフは述べた。
「感じのいいグループがマーク・マテシッツの周りにいた。彼の母親や、私も知っている何人かの人たちだ。彼らに加わって、ジェリと楽しく話をしたことで、この写真が生まれた」
ホーナーもこの交流について、「私の妻が彼のお尻を強く叩いたので、彼は少し驚いたと思う」とホーナーは『Sky Sports F1』に明かし、「愉快な瞬間だ。私の握り拳は見えないだろう。写真に写っていないから」と冗談めかして語った。
「長いシーズンだったし、コースでは競争が必要だ。しかしそこには敬意もなければならない」
ホーナーはウォルフについて、「私は彼がしてきたことと、このスポーツで達成したことすべてに敬意を抱いている」と話した。
「我々は人間として、また、リーダーとして非常に異なっているが、だからといってそこに敬意がないわけではない。我々にはプロフェッショナルな関係があると思う」