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快適な湾岸タワマン生活を送っていた女性 夫の転勤で泣く泣く引っ越すことに

2023年12月11日 11:30  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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タワマン暮らしが気に入っていても、やむを得ない事情で引っ越さなければならないこともある。

「湾岸のタワーマンションに住んでいました。海が見えて、展望は良かったです。よく豪華客船が停まっていましたし、東京タワーも見えました」

こう語る50代前半の女性は、今から10数年前、湾岸エリアのタワーマンションの高層階で暮らしていた。

「エレベーターも広いし速いし、シースルーだったのでストレスフリーでした。エレベーター待ちも経験無しです。洗濯物は外に干せませんが、洗濯物が干してあるマンションはやっぱり景観が良くないと思うし、乾燥機に慣れていたので不満はありませんでした。タワーマンションはメリットが多かったです」

と良さを挙げれば切りがない様子だ。今住んでいるマンションは近隣の音が気になるが、タワマンでは「上の階の足音も全くなかった」と語る。

そんなに気に入っていたタワマン暮らしを手放したのは何故なのか、編集部では女性に話を聞いてみた。

「月々18万円。この頃は普通のサラリーマンでも手が届く価格でした」

女性とご主人が結婚を機にそのタワマンを購入したのは2003年のことだった。

「もともと利便性のいい地域に住んでいて、近くにタワーマンションが建設されたので購入したいと思いました。ただし、既に完売していたのでキャンセル待ちでした。どこの部屋でもいいと伝えていたところ、90平米で2LDKの41階の物件を紹介されました。購入額は5000万円くらいだったと思います」

湾岸エリアのタワマン高層階がこの価格とは、現在よりもかなりお買い得と言えるだろう。女性は「私も主人も普通の会社員です。管理職でもありません」と語る。

「この頃はタワーマンションも普通のサラリーマンでも手が届く価格でした。月々の支払は、住宅ローンと管理費、修繕積立金、駐車場込みで月に18万円くらいだったと思います。家族は主人とペットのワンちゃんだけです」

愛犬と夫婦二人で、快適なタワマン生活を満喫していたようだ。当時を「住んでいて快適でした」と振り返る。

「よく壁が薄く隣の生活音が聞こえるといった記事を目にしますが、全くそんなことありませんでした。 お友達の高級タワーマンションに遊びに行った時は足音が聞こえたので、マンションによるのかなとは思います」

また、大規模マンションで戸数が多い分、費用が抑えられていたとも語る。

「駐車場の料金もスケールメリットでかなり抑えられていました。毎月の修繕積立金も、戸数が多いので今のマンションより安かったです。タワーマンションは修繕積立金で破綻するという記事を目にしますが、どのマンションにも言えることだと思います」

夫が転勤、「私が会社を辞めて引っ越しました」

しかし、女性はこの快適な生活を7年で手放すことになった。

「理由は主人の転勤です。タワーマンションでの生活に満足していたので、当初夫は単身赴任で、私は残ってマンションに住んでいました。すぐに東京勤務になると説明を受けていましたが、会社の状況が変わり、当分東京には帰ってこれなくなりました。ですから仕方なく、私が会社を辞めて引っ越しました」

気に入っていたタワマンだけでなく仕事とも離れることになった女性。当時の心境をこう明かす。

「会社を辞めたくはありませんでしたし、住んでから6年しか経ってなかったので、残念な気持ちが大きかったと思います。床暖房も当たり前だったのが、引っ越し先では無くなりました。ディスポーザー(シンク下で生ゴミを粉砕処理する装置)も無く、不便でしたね」

こう肩を落としたが、「何より住宅ローンが残っていたので、賃貸に出せるか不安でした。銀行から許可がおりたときはホッとしました」とタワマンは人に貸すことに。そのタワマンのローンも10年で完済した。

「現在は低層階から海を眺めて暮らしている」

タワマン暮らしほどではないにせよ、今の暮らしも気に入っている様子だ。

「引っ越すのは残念でしたが、家族揃って暮らすことができるので嬉しかったです。タワーマンションに暮らしていたときは高層階から東京湾の海を眺めていましたが、現在は低層階から海を眺めて暮らしているので、また別の意味で満足しています」

引越先でも仕事を見つけることができた。現在夫婦で共働きだ。いつかまたタワマンに住みたいか聞くと、

「利便性がいい場所でしたらタワーマンションに住みたいと思います。その場合は高層階でなくてもいいと思っています」

と話してくれた。