今年のクリスマスは高い!と感じることになりそうだ。帝国データバンクは12月5日、2023年冬シーズンの「クリスマスケーキ」の価格に関する調査結果を発表した。調査は、全国の大手コンビニエンスストアや百貨店、スーパー、洋菓子店など計100社・ブランドを対象に行われた。
調査の結果、今年のクリスマスケーキの平均価格は4468円で、前年に比べ325円、率にして7.8%の値上がりとなった。また、本格的な値上げラッシュが始まる前の2021年の平均3939円と比べると、今年は500円以上も値上がりしたことも明らかになった。(文:國伊レン)
砂糖や牛乳などの主要原材料の多くが前年比1.2倍前後の値上げ
昨シーズンから価格が上昇したケーキは100社中81社に上る。値上げ幅として最も多いのは「500円以上」と「300円未満」でそれぞれ20社だが、500円以上値上げした企業は昨シーズンに比べて倍増しており、大幅値上げを決断したケーキが目立つ結果となった。
値上げの主な原因は、昨シーズンから続いている原材料価格の高騰である。春先の「エッグショック」以降価格が高騰している鶏卵を始め、砂糖や牛乳などの主要原材料の多くが前年比1.2倍前後の値上げとなったほか、猛暑の影響でイチゴが最大で1.5倍超と大幅に高騰している。さらに、12月から大手乳業メーカーでバターが一切値上げとなったことや食材以外の資材費や光熱費、人件費の高騰といった諸要因が、クリスマスケーキの値上がりに繋がったようだ。
また、4年ぶりにコロナ禍の制限がないクリスマスに、消費者の財布が緩むことを期待した値付けも多いとみられる。一方で、高額品の買い控えや低価格品への人気集中といった「値上げ疲れ」の兆候も一部で聞かれている。今年1年間で値上げされた食料品はバブル崩壊以降で最大級の3万品目を超える中、家計では月3700円分の食費「節約」に動くなど、値上げへの抵抗感は昨シーズンに比べて強まっているため、クリスマスケーキの大幅値上げは消費者に受け入れられない可能性もある。
コロナによる制限が解除された初めてのクリスマス。ケーキ商戦の成り行きが注目される。