現在開催中の「東京コミックコンベンション2023」では、参加セレブが登壇するセレブ・ステージも随時実施されている。
今回はその中でドラマ「SHERLOCK(シャーロック)」や映画『ドクター・ストレンジ』で知られるベネディクト・カンバーバッチのステージの様子をお届け。
屋内の熱気冷めやらぬ夕刻すぎ、ギターのカッティングが印象的なBGMに合わせて踊りながら登場したカンバーバッチ。「ハーイ!」と陽気に挨拶すると、MC大井田曰く「会場のファンたちの目が一瞬でハートマークに」。回転椅子を活用し、右から左へと小刻みに手を振るサービスで観客から手のウェーブを引き出したり、途中で運ばれてきたお茶を美味しそうにいただいたり、終始マイペースかつお茶目な仕草で会場を魅了していた。
今回は事前にファンから募った質問をMCが投げかけていくスタイルでステージが進行。以下、その時のQ&Aを写真と一緒にお届けしよう。
ー東京コミコンに参加しての気持ちをお願いします。
素晴らしいです。こちらに来ることができて本当に光栄です。規模も非常に大きいですし、速度も速い。色々な物事がスピーディーに進んでいますが、こちらにいらっしゃる方は非常に平和的で、それでもって情熱的で。ありがとうございます。
ー役者を目指している者で、あなたのようになりたいのですが、あなたが役者としての素晴らしいキャリアを叶えるためにした努力や何か心がけていることなどはありますか。
非常に良い質問ですね。他の誰かになろうとしない、真似をしないということ。私は生計を立てるために(俳優業を)始めたのですが、とはいえ自分が情熱をもって好きなことをやれるというのが幸せだったということです。その後は一生懸命努力をし、学ぶこともありました。機会や運などに恵まれたこともありましたけれど、それらの先にあるものは、努力をしてここまでやってきたと思います。
(通訳さんが長文を訳したことに対して)短い回答にしておくべきでした。失敗を恐れないこと、失敗は学びでしかないので。そして、自分であれ。自分しか、自分になれないから。あとは、挑戦をし続けてください。
ー(『SHERLOCK(シャーロック)』と『ドクター・ストレンジ』で演じたキャラクターにちなんで)名探偵と魔法使い、なれるとしたらどっちになりますか?
あ~……次の質問お願いします。(会場で笑いが起きる)ごめんなさい、そしてこのような瞬間をくださって感謝はしているのですが、これらのキャラクターでどちらが良いという風に思うことはないのですね。共通する点はキャラクターによってあるかもしれませんが、それぞれ個性があるので、どちらが良いということはないのです。
ー『ドクター・ストレンジ』の最新作の最後で、目が一つ増えましたね。自分の身体の中で、もっと増えてもいいなと思う箇所はありますか?
(爆笑が起きる)お子さまたちも聞いているのでね……(また会場が笑いに包まれる)。何か一つ余計に、となると結構大変なのでいらないかなと思います。でももしもと言うのならば、脳みそですかね。私は今、時差ボケではない脳が欲しいと思っています。
ー初来日が『スタートレック』のカーンを演じた時のPRの時ですね。その時の浴衣姿がとても印象的だったので、着物姿の役をやっていただきたいです。例えば『ラスト サムライ』のように着物を着る役を演じる、というアイディアはいかがですか?
イギリス人の侍でなくてはいけないですよね? 異なる文化の作品については、非常に繊細な問題なので簡単にやる・やらないと言えないと思ってはいるのですが、過去にどんな作品があるのかなと思うと(『ラスト サムライ』の)、トム・クルーズさんがやられていましたよね。着物は装いとしても心地良く、様々なプリントがあって美しいですし、そういう点ですごく素晴らしいと思っています。もしもそういう脚本がどなたかが書いてくださったら、読んでみても良いかもしれません。私自身、日本の文化を愛していますし、2013年の来日時は光栄でした。実はその時はカーンではなく、ジョン・ハリソンですよ。嘘をつかないでお話しした方がいいなと思ったので。今回は短いですが、長い期間、日本でお仕事させていただく機会があるといいなあと思っています。
ーリクエストです。シャーロックの考えるポーズをぜひやっていただけないでしょうか。
ー『ハムレット』や『フランケンシュタイン』などあなたの演劇がすごく好きです。次の舞台の予定があれば絶対に観劇しに行くので、もしあれば教えてください。
ありますけれど教えられません。私自身、舞台をやりたいとずっと思っていますので、“今準備中のものがある”ということまでは教えられます。(観劇ツアーを組めるように)十分な時間をもってお知らせしたいと思います。
ー最後に、日本のファンに一言ご挨拶いただけますか。
ヒュージ(huge)ありがとうございます(日本語で)。心の底から感謝しています。日本の方は皆優しくて時として忍耐強くいてくださる。私は日本に来ることが本当に楽しみで、私の作品を届けられるだけでなく、私自身がこちらにきて、直接皆さんと会うことができるというのは私にとってとても意味のあることです。確かにイギリスから遠いのでなかなかしょっちゅう来ることはできませんが、日本の文化を愛していますし、そういった私のメッセージを直接みなさまにこうして届けられることを本当に嬉しく思っています。ありがとうございます。
(text:山根由佳/photo:タンスタ未央)