特別企画展「ふたりの絆 石ノ森章太郎と赤塚不二夫」が、明日12月9日から2024年3月24日まで東京・豊島区立トキワ荘マンガミュージアムで開催。本日12月8日に記者発表が行われ、水野英子と豊島区長の高際みゆき氏が登壇した。
【大きな画像をもっと見る】「ふたりの絆 石ノ森章太郎と赤塚不二夫」は、石ノ森章太郎と赤塚不二夫の初期の作品やトキワ荘時代の作品を中心に展示する企画展。デビューする前から40年以上にわたって親友関係にあった石ノ森と赤塚の貴重な資料の展示を通じ、2人の青春時代を追体験できる内容になっている。また石塚不二太郎やいずみあすかといった名義で、石ノ森と赤塚が発表した合作、そこに水野を加えたU・マイア名義の合作も展示されるほか、2階のフォトスポットには、2人のトキワ荘でのエピソードを「共同炊事場」「石ノ森章太郎の部屋」「赤塚不二夫の部屋」に再現する。
会場では第1章「マンガ家を目指すふたり」、第2章「出会ったふたり」、第3章「トキワ荘のふたり」、第4章「その後のふたり」の4つにわけて展示を構成。第1章ではマンガ家を目指し始めた頃の習作や投稿作品を通じ、2人のスタートラインを紹介し、第2章では2人が出会い、トキワ荘に入るまでのエピソードを振り返る。第3章はマンガ家として忙しい日々を送る当時の様子を、作品やエッセイなどを通じて探っていき、第4章ではトキワ荘を出てからの2人の活躍を追う。
高際区長は同展について「おふたりの絆にスポットを当てた原画展は今回が初めて。トキワ荘でならではの企画」と語る。石ノ森、赤塚とともにトキワ荘を過ごした水野は「U・マイアという企画でトキワ荘に来ることができましたけど、タイプが違う方なのにこんなに仲がいいとは知らなかった」と当時を振り返り、展示について「なぜ今までやってくれなかったのかなという気がします(笑)。おふたりの友情が滲み出るような展示ではないかなと、私も拝見するのが楽しみです」と期待を寄せた。
質疑応答で、トキワ荘時代を回想した水野は「当時はマンガを描く人たちが周りに誰もいなくて、完全に独学でした。実際にマンガを描いている人たちを側で見るのは初めてだったので、教えていただく必要もなく(2人の作業を)見るだけで勉強になった」と語る。続けて石ノ森、赤塚それぞれのすごさについて、「石ノ森さんは見たこともないような絵柄や構図が非常に斬新で面白かった。赤塚さんはもともと写実的な絵を綿密に描かれる方。私たちが人物を描いた後の総仕上げみたいなことをやってくださって、すごい画力を持ってるんだとわかりました」と明かす。
さらにU・マイアとして合作を手がけることになった理由について「当時はほとんどが男性だったし、少女マンガの描き手がいなかったんです。少女誌も成長期だったし描き手を増やそうということで、まずはいずみあすかで作って。うまくいったから私を加えて3人でやろうと」と答える。また役割分担については、自然に決まっていったと振り返り「主人公の男女を私が描くのは決まっていました。少女誌でしたし、男性が女性をかいてもイマイチかわいくないというところがありまして(笑)。石ノ森さんは思いがけないアイデアを出せる人ということでネーム構成やコマ割りを。赤塚さんの細密で写実的な絵は背景に欠かすことができない」と、それぞれの個性を生かした役割分担になっていたと語った。
■ 特別企画展「ふたりの絆 石ノ森章太郎と赤塚不二夫」
会期:2023年12月9日(土)~2024年3月24日(日)
時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
会場:東京都 豊島区立トキワ荘マンガミュージアム
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)
料料:大人500円、小中学生100円、未就学児、または障がい者手帳をご提示の方と介助者(1名まで)は無料。