2004年発売「Spirit of Wonder 鶴田謙二 WONDER-BOX」鶴田謙二描き下ろしビジュアル。 鶴田謙二「Spirit of Wonder」を原作としたOVA5作品が初のBlu-ray化。描き下ろし短編マンガなど特典も用意されたBlu-ray BOXが、2024年3月27日に発売される。価格は税込2万6400円。
【大きな画像をもっと見る】 SF文学賞「星雲賞」のアート部門で4度の受賞歴を持つ鶴田。その鶴田の代表作である短編集「Spirit of Wonder」は、全12話で構成されるハートフルSFファンタジーだ。Blu-ray BOXでは、「Spirit of Wonder」の収録作をアニメ化した1992年制作の「チャイナさんの憂鬱」、2001年制作の「少年科學倶楽部」「チャイナさんの縮小」「チャイナさんの惑星」、2003年制作の「チャイナさんの盃」を楽しめる。
特典として鶴田の描き下ろしイラストを使用した収納BOX、鶴田による描き下ろし短編マンガが付属。構成・脚本・演出に庵野秀明を迎え「チャイナさんの憂鬱」の続編として制作された、6本の短編音声ドラマと5本の楽曲、BGM集や効果音集を収録したドラマCD「チャイナさんの逆襲」、鶴田とチャイナ役を演じた日高のり子による「チャイナさんの盃」オーディオコメンタリーなど、2004年発売のDVD BOXの特典も収録される。
鶴田と日高をはじめ、「少年科學倶楽部」でウィンディ役を務めた柚木涼香、さらに庵野から発売記念コメントが到着。Blu-ray BOXの特設ページには氷川竜介による解説文も掲載された。
■ 鶴田謙二コメント
「Spirit of Wonder」も今や古のアニメーション作品となりました。ただ時間が経ち時代は変わりましたが(原作者ということもあると思うのですが)思い入れが(思い込みも)強かったせいか心の深いところに今もずっと住み着いたままです。例えば大好きな月面シーンのあの表情はずっと脳内に張り付いて剥がれません。きっと死ぬまで剥がれないでしょう。
「チャイナさんの憂鬱」はかれこれ30年前の作品です。アニメ化のお話しが来た頃、私はいろいろあって漫画家を休止中でした。精神的に荒んでいたし、せっかくのアニメ化だというのに雑誌上の連載どころか掲載すら出来ない状態で、制作中も(というか終わった後も、今現在も)それは変わりませんでした。現場にも関係者にも迷惑をかけて、私にとっては申し訳ない思い出でいっぱいな作品なのであります。ピンク・フロイドの武道館公演を観て思いついた話なので主人公は「フロイド」、ジムとリリーでブリストル、そして毎月家賃を直接取り立てに来るアパートの大屋さん。聞いたらガッカリするような理由で構成された物語だったことは、申し訳なさすぎて黙っていましたが…
ごめんなさい。
そしてありがとう。
作品は時代の思い出とセットになっているのが常ですが、今回の復活で、世代を超えて私のフラッシュバックのような走馬灯のような感じを共有してくれる人が30年後に現れてくれると嬉しい限りであります。
■ 日高のり子(チャイナ役)コメント
私が初めて鶴田先生の作品に触れたのは「チャイナさんの憂鬱」のボイステストの時。
原作を読み、キャラクターや背景はもちろん、月や星、空をなんて美しく描かれるのだろうと感動しました。
でもそんな世界に登場するキャラクターたちは皆どこかコミカルで人間臭くて面白いのです。
私が演じたチャイナさんは、スタイル抜群な拳法の達人。
相手を蹴り上げた時にチャイナ服のスリットから伸びた足が色っぽくて、私で大丈夫かしら?とドキドキしましたが、チャイナさんの愛嬌のあるお顔、とくに丸いお鼻に親しみを感じて楽しく演じることができました!
今回のBOXにはドラマCDも入るとか…鶴田先生、庵野監督、樋口監督の楽しそうなお顔が浮かびます(笑)
■ 柚木涼香(ウィンディ役)コメント
「Spirit of Wonder」Blu-ray BOX発売決定! 鶴田謙二先生原作の素敵な作品。
いつかBlu-rayになったらいいのにな…とずっと心の片隅にあったので嬉しいです!
私が出演させていただいた「少年科學倶楽部」。夢を追い続ける男達に呆れながらもその純粋さと熱意に心動かされます。当時は新妻という役どころにもドキドキしながらの収録でした。
それを思い出すとちょっと恥ずかしい気もしますが(笑)時間が経った今、登場人物、風景や音楽、すべてに愛おしさが増しています。
この機会にまた沢山の方に観て頂けたら嬉しいです。Blu-ray BOXでもどうぞお楽しみくださいね。
■ 庵野秀明コメント
鶴田謙二氏が雑誌モーニングで漫画家デビューした時の衝撃は、今でも覚えています。
絵を観た瞬間にファンになりました。
圧倒的で知性的な画力と同居している何とも言えない不思議な色気が魅力でした。
その後、縁あって飲み友達となり、鶴田氏の同人誌を出版したり一緒に仕事もしたり、という流れになりましたが、歳を取っても未だに衰えない画力(遅筆に益々磨きがかかってますが)には感服するばかりです。
チャイナさんのドラマCD制作は好きにやらせて貰いました。良い思い出の一つです。
ツルりん、また飲みましょう。
■ 「Spirit of Wonder」作品概要
□ スタッフ
原作:鶴田謙二(講談社刊 週刊モーニング/月刊アフタヌーン掲載)
アニメーション制作:亜細亜堂
「少年科學倶楽部」
監督・脚本・絵コンテ・演出:安濃高志
キャラクターデザイン・作画監督:柳田義明
場面設計:関根昌之
メカ設定:児山昌弘
色彩設定:すずきたかこ
美術監督:吉原俊一郎
撮影監督:松澤浩之
編集:坂本雅紀
音響監督:三間雅文、柏倉ツトム
音楽:松尾早人
「チャイナさんの憂鬱」
監督・絵コンテ:本郷みつる
脚本:島田満
キャラクターデザイン・作画監督:柳田義明
設定:西村博之、海谷敏久
美術監督:小倉宏昌
撮影監督:斎藤秋男
録音監督:大熊昭
編集:布施由美子
色彩設計:一ノ瀬美代子
音楽:田中公平
「チャイナさんの縮小」「チャイナさんの惑星」「チャイナさんの盃」
監督・脚本・絵コンテ・キャラクターデザイン:藤森雅也
メカ設定:楠部工、柴田外郎
演出:根岸宏樹、藤森雅也
作画監督:関根昌之、藤森雅也
美術監督:吉原俊一郎
撮影監督:松澤浩之
編集:坂本雅紀
音響監督:三間雅文、柏倉ツトム、大熊昭
音楽:松尾早人
□ キャスト
「少年科學倶楽部」
ウィンディ:柚木涼香
ジャック:鈴村健一
ゴードン:土師孝也
クーパー:広瀬正志
シェパード:岡和男
「チャイナさんの憂鬱」「チャイナさんの縮小」「チャイナさんの惑星」「チャイナさんの盃」
チャイナ:日高のり子
ジム:柴本浩行
ブレッケンリッジ:羽佐間道夫
リリィ:渕崎ゆり子
※日高のり子の高ははしご高が正式表記。
(c)2001・2003 鶴田謙二/講談社・バンダイビジュアル
(c)1992・1993 鶴田謙二/講談社・UNIVERSAL MUSIC LLC