『52ヘルツのクジラたち』 (C)2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会 志尊淳が、杉咲花を主演に迎えた成島出監督最新映画『52ヘルツのクジラたち』に出演決定。公開日も2024年3月1日(金)に決定した。
町田そのこによる原作小説(中央公論新社)は、2021年の本屋大賞を受賞し、すでに80万部を売り上げる圧巻の傑作ベストセラー小説。「52ヘルツのクジラ」とは、ほかの鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラのこと。たくさんの仲間がいるはずなのに、何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている――。
杉咲さん演じる主人公・貴瑚の声なきSOSを聴き、救い出そうとする岡田安吾(おかだ・あんご)役を、今年NHK連続テレビ小説「らんまん」での好演が話題を呼び、高橋文哉とW主演を務めるTBS系ドラマ「フェルマーの料理」でも圧倒的な存在感を放つ志尊淳。
安吾は、精神的にも肉体的にもギリギリの状態だった貴瑚と出会い、彼女を救い出そうと動き出す塾講師をしているトランスジェンダーの男性。
貴瑚の幸せを心から願い行動する安吾は、自身も孤独な魂を抱えた役どころ。本作のオファーを受けて原作を手に取ったという志尊さんは、「一読者として夢中で一気に読みました。僕がアン(安吾)さんを演じることで、トランスジェンダーの方々を傷つけることにならないかと最初は不安でしたが、監督の覚悟を聞いて成島組の船に乗りたいと思いました」とその決意を語る。
また、安吾役については「本作に俳優としても出演していて、脚本の段階からトランスジェンダーをめぐる表現を監修いただいている若林佑真(わかばやし・ゆうま)さんと、二人三脚でアンさんを作り上げていきました」とトランスジェンダー男性の俳優として活躍する若林さんと相談しながら真摯に役作りに向き合い、そのキャラクターを作り上げたことについて語る。
貴瑚役を演じた杉咲さんとの共演については「アンさんを演じる中で、杉咲さん演じる貴瑚の全てを受け止めたいと臨み、クランクアップに際して、そうした関係を築けたことを実感しました」と、現場での熱い絆についても語った。
志尊さんの心を動かした成島監督は、その起用理由を「志尊さんが瑯壬生(ろうみお)役を演じたNODA・MAP『Q:A Night at the Kabuki』の初演と再演を二本とも拝見し、初演から再演にかけての素晴らしい成長にとても驚き、バックステージでどれだけ努力を積んでいる人なのかと注目してきました」と評価。
実際の現場での様子を「原作におけるアンさんは“アンパンマン”みたいな存在として表現されていますが、志尊さんの持つ温かな人柄や真摯な姿勢も、まさにアンさんだと、撮影を通じ確信しました」と明かしている。
本作は東京を皮切りに大分・北九州での撮影を経て、無事にクランクアップしている。
『52ヘルツのクジラたち』は2024年3月1日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。
(シネマカフェ編集部)