「最近、19歳の時に38歳の人と不倫したという記事を読み、自分のことかと思って驚きました。私は19歳の時に39歳の人と不倫しました」と綴る40代前半の女性。相手の男性はアメリカに住む大手予備校の非常勤教師だった。
大学合格後も交流は続き、「先生に対しては好きというより憧れのような気持ち」だった。女性は、サークルで出会った彼氏にも交友関係を話していたが……。(文:國伊レン)
「おもしろいゲームを見せたいから、部屋に来ないか」
大学2年生の夏休みのときに先生が来日。2人で会うことになった。彼氏にも伝え、当日は約束の時間まで彼氏と一緒に過ごした。その後、女性は一人で約束の場所に向かった。
レストランに行き、一緒に夜ご飯を食べた。その後、ホテルに滞在中の先生から
「おもしろいゲームがあって見せたいから、部屋に来ないか」
と切り出されたそうだ。時刻は20時。「少しだけなら」と思って部屋についていった。
「しかしそれは実は罠でした」
「そのことに気づいたときには遅く…結局終電を逃した私は先生の部屋に泊まらざるをえませんでした」
彼氏からはポケベルに大量のメッセージが
当時、彼氏とはポケベルで連絡を取り合っていたという。その夜は沢山のメッセージが入っていたが、返せる状況ではなかった。
「とても返信できませんでした。翌朝ホテルから出ると、罪悪感でいっぱいの私には真夏の日差しが眩しすぎました」
急いで電車に向かい、帰路につく。しかし、彼氏は乗り換えで使う駅で待ち伏せていた。
「何があったのか察していた彼は『行かせるんじゃなかった』と言いました。でも彼はすべてを受け入れる、気持ちは変わらないと言ってくれました。涙が出るほど嬉しかったのに私は、顔を合わせることすら恥ずかしく感じ、逃げるように去ってしまいました」
このことがきっかけとなり「大好きな彼を失った」と綴る女性。「心が壊れそう」になり、次第に心の拠り所を先生に求めるようになっていった。
「既婚者なのに独身であるかのような振る舞いをする先生が急にダサくて、嫌いになってきました」
「私は先生に遊ばれたという現実をわかっていながらも、受け入れられず、先生に愛されているのだと徐々に思い込むようになっていきました」
「遊びだったくせに、毎日のように国際電話をかけてきて、アメリカに遊びにおいでと言ってくれて…。その翌月に私は一人でアメリカに行き、1週間ほど滞在しました」
だが「先生」は既婚者だった。「奥さんは日本におり、別居している」状態だったという。女性はいつ知ったか正確には覚えていないが「アメリカに行ったときには知っていました」と綴っている。
「帰国してからも国際電話がよくかかってきましたが、既婚者でありながら、独身であるかのような振る舞いをする先生のことが急にダサくて、嫌いになってきました。そもそも、この人のせいで大好きな彼と別れることになったと思うと、心底腹立たしくもなりました」
想いは憎しみに代わった。「もう電話しないで」と伝え、たまに来るメールも適当に流すようになった。
「大学2年の夏休みを思い出すと、何十年経った今も正直つらいです。戻ってやり直したいと何度思ったことか…」
あの日、誘いに乗らずに帰っていたら。たった一度の選択が人生を大きく変えることもある。最後に女性は、当時の彼氏に対する想いをこう綴った。
「最近、彼のことをネットニュースで見ました。出世したようで、見た目は以前よりだいぶふっくらとしていましたが、幸せな証拠かなと思います。彼が同じ空の下で幸せに暮らしていると思うと、不思議なことに力が湧いてきます。もしも、いつか彼に会えるなら…私のことを初めて大切にしてくれた彼に、ただ一言、ありがとうと伝えたいです」