同作は、士郎正宗氏原作によるサイバーパンクSFの金字塔『攻殻機動隊』シリーズの最新作。1989年に『ヤングマガジン増刊 海賊版』(講談社)にて原作コミックが発表されて以来、押井守監督による『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995年)をはじめ、アニメーション、ハリウッド実写映画など様々な作品群を展開し、世界中に驚きと刺激を与え続けてきた。
最新シリーズは『攻殻機動隊 S.A.C.』シリーズの神山健治氏と、『APPLESEED』シリーズの荒牧伸志氏によるダブル監督作。Production I.Gと、 SOLA DIGITAL ARTSの共同制作によるアニメーションシリーズとなり、シーズン1が2020年4月より、シーズン2が2022年5月よりNetflixにて世界独占配信された。さらに日本アカデミー賞6部門受賞の『新聞記者』や『余命10年』等、実写映画で活躍する藤井道人氏を監督に迎え、シーズン1に新たなシーンを加えて再構成した劇場版『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』が2021年11月より全国劇場公開された。今回、シーズン2に新たなシーンと視点を加えて劇場版として再構成した劇場版『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』が公開されている。
この度、主人公・草薙素子役の田中敦子、バトー役の大塚明夫、トグサ役の山寺宏一のオフィシャルインタビューが到着。1995年の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』から長年演じている3人の、『攻殻機動隊 SAC_2045』シーズン2収録時のエピソードや、今回新たに登場する江崎プリン(CV:潘めぐみ)、シマムラタカシ(CV:林原めぐみ)について、さらにはNetflixシリーズとは異なる描かれ方となり、新たに収録されたクライマックスシーンについて語った。
※編集部注:本記事はネタバレを含んでいます。知らない状態で映画をご覧になりたい方はご注意下さい。
○■大人気シリーズ最新作『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』の裏側
――1995年の『攻殻機動隊 / GHOST IN THE SHELL』から始まったアニメ『攻殻機動隊』の世界ですが、最新シリーズ『SAC_2045』で演じる上で変わったことはありましたか?
田中:素子は、『攻殻機動隊/GHOST IN THE SHELL』のときには人形遣いから融合を求められたし、『S.A.C.2ndGIG』の久世とも対峙した。最後の最後で大きな決断を求められるキャラクターなんです。素子は孤高の人で、誰よりも高い場所から世界を見渡していて、そういう視点に立つと、最後に対峙した時点ではシマムラタカシもそこまで「敵」という存在でもないのだろうと思いました。だから「プラグを抜く/抜かない」という直接的な選択も超越したところに素子はいて、その上で世界のことを考えて決断したのだろうと考えました。それは『最後の人間』で再編集されたものを見て特にそう思いました。