2023年12月02日 10:11 弁護士ドットコム
「くさくて洗濯物も干せません」。近所に焼肉屋がオープンし、においに悩まされているという住民から、弁護士ドットコムに相談が寄せられている。
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相談者によると、焼肉屋のオーナーからはオープン前に「においの心配はない」と説明されていたという。ところが、実際は家の中までにおいが侵入することもあり、注意しても改善されないとのことだ。
相談者は「営業をやめろとは言わないが、なんとかしてほしい」とつづっている。このまま我慢するしかないのだろうか。後藤貞和弁護士に聞いた。
ーーまず取るべき手段はなんでしょうか。
相談者は洗濯物も干せず、つらい思いをされていると思います。
すぐにできることとして考えられるのは、当該焼肉屋のオーナーや運営企業に対し、においを出さないことや、何らかの対応(換気扇や排気に関しての設備自体の改善、においの出る方向の変更など)を求めることです。
これに対応してもらえない、あるいは対応したと言われても従前と変わらない場合は、最終的には訴訟を提起し、におい発生の差止めおよび損害賠償請求をすることを検討します。訴訟の前段階として、調停で協議する場合もあります。
ーー訴訟になった場合のために、準備することは何ですか。
訴訟では、においの程度が「受忍限度」を超えるかも問題となります。受忍限度とは、社会生活を営む上で、一般的に人が我慢するべき限度のことです。
においといっても様々で主観にもかなり左右されるため、できるだけ客観的なデータによる裏付けが求められます。臭気指数の測定、においのする時間帯・日数、影響を受けている住民の範囲などについて、できるだけ詳しく残しておく必要が出てくるでしょう。
記録として、焼肉屋への申し出や協議の経過も文書でやり取りするなどして、残しておくとよいと思われます。
【取材協力弁護士】
後藤 貞和(ごとう・さだかず)弁護士
2014年弁護士登録、仙台弁護士会所属。当事者の納得いく解決を目指した親切・丁寧な対応をモットーとしています。Chatwork等のビジネスチャット、ビデオ通話による相談にも対応しています。お気軽にご相談ください。
事務所名:弁護士法人後藤東京多摩法律事務所
事務所URL:https://goto-lawoffice.com/