WEC世界耐久選手権のフレデリック・ルキアンCEOによれば、2024年もWEC最大のイベントであるル・マン24時間レースにおいては、タイヤウォーマーの使用が認められる可能性があるという。ただし、これはまだ決定事項ではない。
2023年からタイヤーウォーマーが禁止されたWEC。しかしシーズン序盤、とりわけ低温となった第3戦スパでは安全性に関する懸念が噴出したことから、続く第4戦ル・マンでは急遽タイヤウォーマーの使用を認める措置が取られた。
この対応は1戦限りのものであり、第5戦以降は再びタイヤウォーマーの使用はできなくなった。
ルキアンは記者団に対し、2024年のル・マンでもタイヤウォーマーが再び導入される可能性がある、と述べた。
「もちろん、ル・マンは特に夜間の気温差の面で非常に特殊なイベントだ」と彼は語った。
「カテゴリーの違いやドライバーのスキルの差もある。GTでレースをしているジェントルマンドライバーと、ハイパーカーとLMP2でレースをしているプロドライバーという、非常に幅が広いものとなっている」
「午前3時にピットレーンを出るとき、そして気温がかなり低い場合、それ(タイヤウォーマーの使用)は有効だ。だがドライバーはこれに慣れる必要があり、それを行うためには我々にも時間が必要だ」
「現時点では、ル・マンに関して決定は下されていない。ただし私が言えるのは、シーズン全体を通してタイヤウォーマーを許可することはない、ということだ。これについては疑いの余地はない」
「ル・マンに関しては非常に特殊なので、何度も話し合い、それが実行可能であることを確認する必要があると言っておく」
ル・マンのスポーティング・レギュレーションは通常12月中旬までに発表されることを踏まえ、いつ決定を下す必要があるかとの質問に対し、ルキアンはFIA耐久委員会に提出する必要があると述べた。
「これは私ひとりでは決断できない」とルキアン。
「FIA耐久委員会で多くの人々がテーブルを囲み、議論されなければならない決定だ」
「これについて話すのは時期尚早だ」
2023年のル・マンにおけるタイヤウォーマー復活について、競技者らはさまざまな感情を抱いていたが、ハイパーカークラスのチームはおおむね導入に賛成していた。