Text by CINRA編集部
映画『Winter boy』の本編冒頭映像、著名人コメント、カナイフユキによるイラストが到着した。
12月8日に公開される同作は、自身のセクシュアリティをオープンに表現するクリストフ・オノレ監督の自伝的作品。父親が事故で急死し大きな悲しみと喪失感を抱える17歳のリュカは、はじめて訪れたパリで兄の同居人・リリオと出会い心惹かれるが、リリオにはリュカに知られたくない秘密があったというあらすじだ。R15+。
リュカ役にポール・キルシェがキャスティング。イレーヌ・ジャコブを母に持つ。リュカの母親役をジュリエット・ビノシュが演じる。
公開された映像は、17歳の高校生だったリュカが父を亡くす2週間前を振り返る様子を捉えたもの。肉体関係もある仲の良い男友達と過ごす様子や、久しぶりに会った父との会話、父が亡くなったことを知るシーンなどが映し出されている。
【絵津鼓のコメント】
自分とまったく同じ感情を誰かと分かち合えることはないという孤独に凍え、ふと共にある音楽はさりげない人生のよすがだと実感し、心が暖まる。
【奥浜レイラのコメント】
ときどきティーンの自分を振り返る。未熟なままで厳しい社会と向き合わざるを得なくなったときの、自分自身の衝動の得体の知れなさ、危うさを思い出し未だにギュッと目をつぶってしまう。主人公リュカは私ではない。同じ経験をしたわけでもない。けれど、ここにある痛みを確実に知っている。古傷を誰かと見せ合ったような親密さに、包まれるようなあたたかさを感じた。
【金原ひとみのコメント】
派手な話ではない。しかしこんなにも共に生きたと思える映画はない。
行き場のない、彷徨う魂と共に、パリを徘徊した。
【鈴掛真のコメント】
まっさらなキャンバスを塗りつぶしては彩りまた塗りつぶしを繰り返した少年時代を、この映画が思い出させてくれた。
【藤野智哉のコメント】
希望はどこでもいつからでも得ることも失うこともできるもの、自分ならどうするか考えながら見て欲しい物語。
【よしひろまさみちのコメント】
セクシュアリティにまつわる苦悩と受容。
絶望と希望の間にいたリュカ世代の監督に思いを馳せる。