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愛が溢れる“クリスマスに読みたい本”5選

2023年11月20日 10:01  オズモール

オズモール

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◆愛が溢れる物語の世界へと誘う“クリスマスに読みたい本”5選!選書サービス運営・内村雛さんのおすすめ本

クリスマス気分を味わいながら、ほっこりする物語の世界に浸りませんか? 今回は、選書サービスをオンライン運営する内村雛さんにクリスマスに読みたいおすすめの本を紹介してもらいました。おうちでゆっくり読書するもよし、大人のクリスマスプレゼントにするにもよし、本を通してクリスマス気分を盛り上げよう。


◆季節に合わせた本を読むことで、ホリデーシーズンを味わい尽くす

特別なクリスマスは、温かい言葉を自ら取り込む贅沢を
大人になってからのクリスマスは、誰かが運んできてくれるものではなく、自分で演出していくものになったと語る内村さん。

「季節に合わせて本を読むことは、音楽や洋服を変えるようにとても必要で、贅沢なこと。例えば、クリスマスは冬、クリスマスは少し浮かれちゃう、クリスマスは赤と緑、クリスマスは…。そんな風に自分だけの連想ゲームのように、季節と本を手繰り寄せて、ホリデーシーズンを味わい尽くすんです。

すぐに終わっちゃうからこそ、選ぶ本も少しくらい大胆に楽しんだっていい。いつもは買わないような大きい絵本や分厚い長編、あるいは名作の定番だって。書店から持ち帰った本は、焼き芋みたいにホクホクしていて、温かい部屋でかぶりつくように読む贅沢な時間は、やっぱり何年経ってもやめられません」


◆内村雛さんがセレクト。クリスマスに読みたい本5選

【1】ホリデーをもっと楽しむためのクリスマス読本
知らなくても十分楽しめるけれど、元の意味を辿ると、今までよりもっと深くクリスマスを楽しめるようになると、内村さんがおすすめしてくれたこちらの本。

「クリスマス研究者による目線で、クリスマスの歴史が知れる1冊。ツリーの起源やオーナメントのそれぞれの意味、時代に合わせて変化したり変わらずに残っている風習文化まで。夜の長い寒い時期、お籠りしながら読むのにうってつけの教養本です。ツリーの飾りつけ、シュトーレン、アドベントカレンダーのように、クリスマス準備のひとつに欠かせなくなること間違いなし」
クリスマスの文化史
若林ひとみ・著(白水社)
2420円



【2】クリスマスを家族で過ごす幸せを感じる1冊
聖なる夜にぜひ読んで欲しいと教えていただいたのが、誠実な言葉を贈ってくれるケストナーの名作。もうすぐクリスマスという時期に起こった、寄宿学校に暮らす少年たちの波瀾万丈&成長ストーリーがここに。

「【―――賢さのない勇気は乱暴にすぎない、勇気のない賢さは冗談にすぎない】【いつだって心の底から正直であれ】。随所に散りばめられたケストナーの純粋なメッセージが大人の心にドスンと響く、そんなクリスマスが舞台の温かい物語です。季節ごとの行事を家族とともに過ごせる幸福も、再確認できる1冊です」
飛ぶ教室
エーリヒ・ケストナー・著/池内紀・訳(新潮文庫刊)
572円



【3】愛おしさが溢れて、誰かを大切に愛したくなる
恋人たちにとって特別なクリスマス。誰かにラブレターを贈るように、愛が詰まったこの本に想いを乗せてみるのもいいですね、と語る内村さん。

「恋人たちのいろいろな愛のシーンを描いた画集です。繊細で、かわいくて、誰かを大切に愛したくなるような、そんな素敵な1冊。【―――どうかあなたもお二人で、仲よくごらんになって、なるほどと思ったり、一枚の絵の細かいところから何かを見つけ出して下さい】という詩人・串田孫一氏の解説も相まって、愛することの愛おしさや素晴らしさを感じることができます」
ペイネ 愛の本
レイモン・ペイネ・著/串田孫一・解説(みすず書房)
2420円



【4】年に一度また読みたくなる心温まるストーリー
続いて内村さんがおすすめしてくれたのは、村上春樹氏×佐々木マキ氏の愉快なファンタジー。クリスマスとかわいらしい羊男を題材にしたこのお話は、不思議な世界への没入感を楽しみながら、クスッと笑い、心温まるストーリー展開に。

「絵本のように短く、すぐに読み終わるけれど、広角はゆるりと上に上がっているような読後感。村上春樹作品に触れたことがない人でも、スーっと彼の独特な世界観に浸れます。また来年のクリスマスにも読み返したいと思える1冊です。ドーナツが無性に食べたくなるので、読書のおともにぜひ」
羊男のクリスマス
村上春樹・文/佐々木マキ・絵(講談社文庫)
660円



【5】自分次第で見える景色が変わり、心が洗われる
表紙をめくってすぐ、真っ白なページのいちばん下に書かれた「見てごらん 雪がふっている」の一行。手のひらサイズの小さな本の中には、余白を贅沢に使った絵のないページに、必要最低限の言葉が綴られているそう。

「もともと、クリスマスカードとして作られた本書は、日々の情報をかき消すかのように真っ白なページが続きます。読んでいくにつれ、自分の周りの物音は消え、この本と自分、そして目を凝らすと見えてくる雪景色が。クリスマスカードを送るように本を贈る、そんな特別なクリスマスを過ごしてみるのもいいですね」
雪がふっている
レミー・シャーリップ・作/青木恵都・訳(タムラ堂)
1100円