前年の3位表彰台を上回る結果を求めて自身2度めの母国ラリーに臨んだ勝田貴元。トヨタワークスドライバーのひとりとして、WRC世界ラリー選手権の日本ラウンド『ラリージャパン』に参戦した勝田は、今シーズン最後のイベントを総合5位で終えた。
悔やまれるフルデイ初日のクラッシュによって、2年連続の表彰台獲得が難しくなった勝田。彼はマシンにダメージを受けるも事故から生き残り、その数時間には挽回に転じて、金曜のデイ2午後と翌デイ3午後のループの両方で3連続ステージウインを飾ってみせる。
この間、勝田は怒涛の追い上げを見せ一時は33番手まで沈んだポジションを早々にシングルポジションに戻すと、土曜の競技3日には総合6番手に。さらに、最終日には今大会8度めと9度めのステージウインを記録。ついに5番手まで順位を戻し、上位を固めるチームメイトたちに続くことになる総合4番手への浮上が期待された。
残念ながらサファリ・ラリー・ケニア以来の1-2-3-4達成とはならなかったが、勝田はこの週末にかけて『トヨタGRヤリス・ラリー1』のフィーリングが優れていたと語っている。
「とても長い週末で、コンディションも簡単ではありませんでした。スピードの面では、ほぼすべてのステージで非常に良いペースを保つことができたので、このようなスピードと自信を今後につなげていければ、と思います」
「もちろん、ラリーの序盤に起きたことは残念に思っていますが、その後はすぐに立ち直ることができました」
「週末を通じてクルマのフィーリングはとても良く、アクシデントの後もプッシュすることができたので、クルマを修理してくれたチームにとても感謝しています」
「前のクルマに追いつくのは簡単ではありませんでしたが、最後までプッシュし続けて最終的には総合5位になることができました。次はもっと良い結果を出したいと思っています」
シーズンを締めくくる日本ラウンドでトヨタチームが表彰台を独占するリザルトを残したことを喜ぶ勝田は、同時にステージやリエゾン(移動区間)、サービスパークなどに訪れ、自身やチームにエールを送ってくれた人々に感謝している。
「チームがワン・ツー・スリー・フィニッシュを達成したことは、とてもうれしいです。また、さまざまな場所で応援し、エクストラエナジーを与えてくれた、すべてのファンの皆さんに心から感謝を伝えたいです」
表彰台争いはもちろん、デイ2朝のアクシデントがなければ充分に優勝を狙えるテンシャルを示した勝田の来シーズンの戦いが今から楽しみだ。