マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、ラスベガス・ストリップ・サーキットで初めて開催されたF1ラスベガスGPの予選で3番手に終わった。
今シーズン、フェルスタッペンが予選で1番手になれなかったのは21戦中今回が10回目のことだった。
「ベストは尽くしたつもりだけど、週末を通して、1周の強さが足りなかった。ダウンフォースを削って走らなければならなかったので、リズムをつかむのに少し時間がかかった。でも、僕らが遅すぎたことは確かだ」
なぜ、フェルスタッペンはラスベガスGPの予選で3番手に終わったのか。そこには、「サーキットの特性が関係している」とオランダ人ジャーナリストは解説する。
「マックスはストリートサーキットが好きじゃないんだ。彼は高速コーナーがあるパーマネントサーキットを愛している。スパや鈴鹿のようにね。その点、ストリートサーキットにはストレートと低速コーナーしかない。フェルスタッペンには退屈なんだ」
オランダ人ジャーナリストが言うように、予選後の会見でラスベガス・ストリップ・サーキットの印象を尋ねられたフェルスタッペンはこう答えている。
「当然だが、僕はストリートサーキットはあまり好きではない。F1マシンの限界に挑戦するには、より高速のサーキットのほうが好きなんだ。その限界に挑戦しているとき、僕はとてもエキサイティングになる。でも、ここはバクーみたいだった。路面のグリップも低くて、限界まで攻めることができない」
もちろん、フェルスタッペンが楽しくないからといって、予選で100%の力を出さなかったというわけではない。フェルスタッペンも「滑りやすい状況のなかでチャレンジすることも別の意味で楽しさはある」と言う。だが、同時に「壁があって、どうしてもスライディングが制限されているから……」と続ける。
さらに、こうも語る。
「今回の予選3番手は、マシンの調子が悪いとか、そういうこととは関係なく、ただ、ある限界までプッシュすることができなかったからだと思う。そして、そうなってしまう予選が、僕にとってはあまり楽しくないんだ」
ただし、「レースは別」だと語る。1周の速さではフェラーリ勢の後塵を拝したフェルスタッペンだが、ロングランはひけをとっていないからだ。さらに予選2番手のカルロス・サインツ(フェラーリ)はフリー走行1回目のアクシデントによって、パワーユニットを交換して、グリッドペナルティが科せられているため、フェルスタッペンのスタートポジションは2番手となる。それでも、フェルスタッペンはこう語る。
「でも、理想的とは言えない。というか、3番手に昇格できることを考えたら、本当は予選で4番手の方がよかった。スタートが悪ければ、ポジションを大きく落とすことになるから明日はそれに対処しなければならない」
しかし今年、ラスベガスGP前までに予選1番手を取り逃がした9回のなかで、フェルスタッペンはじつに6回逆転優勝している。そのなかには、9番手からのスタートとなったマイアミGPと、6番手からのスタートとなったアメリカGPも含まれている。
アメリカでの今年3度目のレースとなるラスベガスGPで、フェルスタッペンは3度目の逆転優勝を目指す。