電車内で、無用なトラブルは避けたいものだ。ところが、
「電車から降りるときに、ヤンキー風の男にインネンをつけられたことがあります」
と、とんだ事態に見舞われたという投稿が寄せられた。なんとか機転を利かせてトラブルを回避できたという投稿者に、編集部は取材を申し込み、一部始終を聞いた。
「私は咄嗟に、反射的に『失礼』と言いました」
男性は現在50代。それは2年ほど前のことだった。その日、午後6時で勤務を終えた男性は、新宿駅から埼京線に乗り、自宅のある赤羽駅で降りようとした。時刻は午後6時40分前後で、帰宅ラッシュの真っ只中だった。
「出口に向かうとき、20代から30代前半ぐらいのヤンキー風の男と肩がぶつかりました。降車する人がまだいるのに乗車してきたのか、席に座りたかったのか、よくわかりませんが、男は出口付近からみんなとは逆方向に歩いてきました」
ヤンキー風の男が他の乗客にぶつかってしまうのは必然だが、
「私は咄嗟に、反射的に『失礼』と言いました。すると、その男は据わった目つきで『何が失礼なんだよ』と凄んできました。私が『失礼と言ったでしょ』と返しても、また『何が失礼なんだよ』と繰り返してきて、これはヤバい奴だと思いました」
謝らなければならないのはヤンキー風の男のほうだが、大人の対応を見せた男性にあろうことか突っかかってくるとはたちが悪い。しかし男性は、
「埒が明かないし、ほかの乗客の迷惑になる。こちらが折れないと周囲に迷惑も掛けてしまうと思い、私が悪いことにして最後に『肩がぶつかって失礼しました』と言いました。ヤンキー風の男は、私を屈服させる事ができたと思ってニンマリと、得意気な表情をしていました。無論、私はムシャクシャしました。今も思い出すと……」
と怒りを滲ませる。「そんなに長くも停車していないので、時間にすると1分もない出来事だと思います」というが男性には長く感じたことだろう。
交番で相談してみたら……
大きなトラブルにならずに済んだものの、釈然としなかった男性は、二日後の午前中に、駅近くの交番へ出向いたという。ヤンキー風の男にされたことを報告し、今後同様のことが起きたらどうすべきかを相談するためだった。
「通勤や通学のために利用する電車は時間や路線を変えることがほぼ無理です。こういうトラブルが起きない、仮に起きてもすみやかに好ましい形で解決できるようにならないかと思いました」
そのとき警察官からは「こういう事態では喧嘩になることが多く、そうなると双方が加害者で被害者になってしまう。だからこそ自制したことは立派」と言われた。
「幾分か気持ちは晴れました。昨今、毎日のように電車遅延が起きていますが、そのうちのいくらかは、こういう車内トラブルで電車が発車できないせいで起きているのではと思います。社会人として、いささかなりとも公共の利益のために我慢したのだと折り合いをつけています」
なお、男性が警察から聞いた対処方法は「こうなったら警察官を呼んで欲しいとのこと」だった。あれ以来ヤンキー風の男を見かけたことはないそうだが、もしまたトラブルに遭ったらその場で警察を呼ぶのがいいだろう。
「赤羽駅では警察官が巡回する様子も見かけるので、警察に頼るのも一つの方法だと思います。もっとも、こういうトラブルに遭遇しないよう、見るからに危険そうな人物には近づかないなど、気をつけるのが何よりだなとも思っています」
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