TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のGRヤリス・ラリー1を駆る勝田貴元は、トヨタの“ホームラリー”で自身を含む4人のドライバーが“ワン・ツー・スリー・フォー”を達成することが不可能ではないと語った。
11月18日(土)に大会3日目を迎えたWRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2023』。このデイ3で前日を上回る計4つのステージベストタイムを記録し、総合9番手から同6番手に順位を上げた勝田は、フルデイ初日(デイ2)のミスを悔やむ気持ちがあるとしながらも、今できるベストな結果を求めて最終日もプッシュを続けると述べた。
「クルマの状態は非常に良く、昨日の段階からウエットでもよく乗れていて今日ドライ路面になってもいい感じです。多少クルマのアジャストはしましたが、自分自身も乗れている感じがあり、それがタイムにも表れている。自分がプッシュしただけタイムが出るいい状態にあると思います」
「あっという間に最終日ですけど、とにかく自分が今できる限りのことをやって良いかたちで終われるようにしたいです。トヨタとしても1-2-3-4でこのラリーを終えられるのが一番だと思うので」
「自分としては期待した位置ではないですけど……最初のミスでこんな結果になって残念な気持ちはまだまだいっぱいありますけど、それはもう一旦忘れてトヨタが1-2-3-4を獲れるように最後までプッシュしていきます」
前述のとおり勝田はSS15終了時点で総合6番手につけており、彼の前には3.6秒という僅差で2019年のシリーズチャンピオンであるオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)がつけている。残り7つのステージで逆転が可能かどうか尋ねられた勝田は、簡単ではないとしながら可能性は否定しなかった。
「もちろん、オイット(・タナク)選手もワールドチャンピオンですし、速さを出すところではしっかりと出してきます。タイム差はそんなにないですけど、そんなに簡単にキャッチできるとは思えないので、とにかくこのままプッシュし尽くしてできるところまでやってみます」と明日に向けて勝田。
「(努力は)結果でついてくると思うので本当に自分ができる限りのことをやるだけです。今日のペースを維持できれば不可能ではないと思うので、とにかく朝からプッシュしていきたいです」
■勝田と4番手ラッピのタイム差は33.7秒
勝田の挑戦を迎え討つ立場のタナクは、順位争いについての質問への回答を躱したが、明日デイ4で争うことになるかつてのチームメイトの走りを称賛した。
「彼はとてもいい仕事をしているね」とタナクは述べた。
「残念ながら昨日のオープニングはあまりうまくいかなかったが、それ以外のステージではとても力強いパフォーマンスを見せている」
現在、エルフィン・エバンスとセバスチャン・オジエ、そしてカッレ・ロバンペラによってワン・ツー・スリーを築いているTGR-WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表も、勝田の走りに満足している。
ラトバラは「それは本当に満足しなければならないものだ。今日もときおり厄介なコンディションに見舞われたが、タカの走りは素晴らしかった」とコメント。
「彼らは完璧な一日を過ごした。本当にすべてがうまくいっていた。そうだね、タカがこのようなパフォーマンスを見せたのは初めてだと思うが、これがいまのポテンシャルだと思う。2024年に向けての励みにもなるよ」
ラリージャパンの表彰台経験者である同氏は、勝田がタナクだけでなく約33秒前方にいるエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)をも逆転し、チームやトヨタにとってベストなリザルトがもたらされることを期待している。
「タカにとってはもっとも大事なことになるので、よりハングリーになっていると言える。もちろんドライブして達成する必要がある。少なくとも多少の戦いをもたらすだろう。でも、タカがこの調子で行けば(1-2-3-4の)可能性はあると思う。彼のサムアップが見られればいいね」