オーディオブックおよび音声コンテンツ制作・配信サービス、Amazon オーディブルでは、4つの湊かなえ作品を配信した。
いつでもどこでも気軽に音声でコンテンツを楽しむことができる、オーディオエンターテインメントサービスAudibleは、プロのナレーターや俳優、声優が読み上げる豊富なオーディオブックや、ニュースからお笑いまでバラエティあふれるプレミアムなポッドキャストなどを取り揃えている。日本向けの会員プランでは、会員特典として12万以上の対象作品を聴き放題で楽しむことができる。
「少女」×稲垣吾郎
2人の高校2年生の女の子が、「人が死ぬ瞬間」を見たいという欲望と願望を胸に過ごす衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー「少女」を、映画版で高雄孝夫を演じた稲垣吾郎の朗読でAudible化。
親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く――死の瞬間に立ち合うために。
【稲垣吾郎コメント】
映画『少女』では高雄孝夫役を演じましたが、今回は主人公の「少女」も私が朗読するという新たな経験で、自分が関わった作品の中で異なる役柄を演じることがとても面白かったです。録音ブースの中で作品を朗読することでその世界に完全に没入できる素晴らしい経験でした。湊かなえ作品は毎回、ぞくぞくするような展開や予測不可能なラストシーン、そして人間の本質を巧みに捉えた心理描写に驚かされます。ぜひAudibleでお楽しみください。
「境遇」×松雪泰子
同じ境遇を抱えた2人の女性の運命が絡み合うストーリー「境遇」を、ドラマ化で高倉陽子を演じた松雪泰子の朗読でAudible化。
デビュー作の絵本「あおぞらリボン」がベストセラーとなった陽子と、新聞記者の晴美は親友同士。共に幼いころ親に捨てられ児童養護施設で育った過去を持つ。ある日、「真実を公表しなければ、息子の命はない」という脅迫状とともに、陽子の息子が誘拐された。「真実」とは一体何なのか。そして犯人は…。
【松雪泰子コメント】
今回の朗読で改めて作品が単なるサスペンスではなく「赦し」の物語であるということに感銘を受けました。Audibleの魅力は音声だけで広がるイマジネーションにあります。俳優の感性を通じて物語を聴くことでは自分で読むのとは異なる新たな魅力を見つけることができると思います。ぜひ俳優の表現も一緒に楽しんでください。
「リバース」×藤原竜也
湊さんの長編小説で初めて男性が主人公となるミステリー「リバース」が、ドラマ化された際に主人公を演じた藤原竜也の朗読でAudible化。平凡なサラリーマンの深瀬和久に、人殺しだと糾弾する告発文が送られてきて物語は始まる。
深瀬和久は平凡なサラリーマン。唯一の趣味は、美味しいコーヒーを淹れることだ。そんな深瀬が自宅以外でリラックスできる場所といえば、自宅近所にあるクローバーコーヒーだった。ある日、深瀬はそこで、越智美穂子という女性と出会う。その後何度か店で会ううちに、付き合うようになる。淡々とした日々が急に華やぎはじめ、未来のことも考え始めた矢先、美穂子にある告発文が届く。そこには「深瀬和久は人殺しだ」と書かれていた――。
何のことかと詰め寄る美穂子。深瀬には、人には隠していたある“闇”があった。それをついに明かさねばならない時が来てしまったのかと、懊悩する。
【藤原竜也コメント】
また、この『リバース』、そして湊かなえ先生に一緒に関われるというのが嬉しかったです。一言一句間違えることなく、皆さんに伝えなくてはならない作業というのはここまで大変なんだという感じで、難しい挑戦でした。小説になじみのない方も、寝る前や通勤通学するときに聴いてみると、毎日の新しい楽しみが1つ増えるんじゃないかと思います。
「未来」×のん
デビュー作「告白」から10年の2021年に刊行された湊ワールドの集大成「未来」。ある日突然、少女に届いた一通の手紙の送り主は、未来の自分――。万感胸に迫るラスト、渾身の長編ミステリーをのんの朗読でAudible化。
「こんにちは、章子。私は20年後のあなた、30歳の章子です。あなたはきっと、これはだれかのイタズラではないかと思っているはず。だけど、これは本物の未来からの手紙なのです」ある日突然、少女に届いた一通の手紙。送り主は未来の自分だという。家にも学校にも居場所のない、追い詰められた子どもたちを待つ未来とは――!?
【のんコメント】
湊先生の10周年の作品であり、初めてあとがきを書いた作品だと知りました。
そのあとがきを読んだ時に私はこの作品を伝えるという使命を果たさなければならないんだ、と衝撃を受けました。作品の中にある問題や希望について、たくさんの人に知ってもらいたいと思いましたし、すでに読んだことのある人にとっても、この朗読がいいものとなるようにしなければならないと思いました。
手を差し伸べてくれる人、自分自身が声を上げなきゃいけない事。この物語に浸れば、見えてくる。たくさんの方の未来に、この物語が交わりますように。
(シネマカフェ編集部)