2023年11月15日 16:41 弁護士ドットコム
日本外国特派員協会で記者会見した映画監督の北野武さんが11月15日、日本の芸能界とそれを取り巻くメディアの問題に言及した。
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今年は旧ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏の性加害問題が大きく取り上げられ、事務所のメディアコントロールや報道側の忖度・萎縮も注目された。
これからの報道のあるべき姿勢について問われた北野さんは、日本の芸能事務所とメディアの癒着や、タレントの排除など芸能界の「ダークな部分」を語った。
「エンターテインメントの世界にずっといると、やはりメディアと大手プロダクションとの癒着というのは昔から目に余るものがある。
よくあったことは、(フランスの)カンヌ映画祭に記者を連れて行って、映画祭に招待もされていないのに、カンヌにある映画館で上映して、日本のマスコミや新聞では『カンヌで大好評』と書いたり、私にとってはなんでこれがまかり通るのかということが、ごく最近まで平気であった」
そのうえで、事務所を去るタレントが「使われなくなる」という現象も存在したと明言。
「大手事務所をやめていくタレントはメディアが一切取り扱わなくなり、テレビ局にもお触れがまわり、使わなくなるようになったり。それは相変わらず、日本の芸能界のダークな部分だと思う。
外国ではあるのかないのかわかりませんが、自分にとっては、そういう世界でよくぞ今までやってこられたなと安心感や達成感があります。日本の芸能の闇の部分はどうやって取り除いていくのか非常に興味があります」
北野さんは「本能寺の変」をテーマにした新作映画『首』(11月23日公開)の監督・俳優をつとめ、国内外の多数のメディアを前に記者会見に臨んだ。