2023年11月14日 10:00 弁護士ドットコム
今年(2023年)7月から、16歳以上であれば運転免許がなくても電動キックボードを運転できるようになり、街中で目にすることも多くなりました。それに伴い、制度が始まった1カ月間で、400件余りの道交法違反が全国で摘発されるなど交通ルールを守る上での課題も指摘されています。
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弁護士ドットコムの公式LINEで、電動キックボードに関するエピソードを募集しました。多くの人が安全性への不安を訴え「廃止して欲しい」という声もあがる一方、「ラストマイルのモビリティは必要」とする声もありました。その一部をご紹介いたします。
もっとも多かったのが、歩道で接触しそうになった、という歩行者の怒りの声でした。
「人通りの多い歩道を歩いている私の背後から電動キックボードが来て、体のすぐ脇を通り抜けていきました。自転車のスピード感と違っており、『ぶつかっていたらかなりの怪我をしそう』と怖い感じがありました」(東京都・60代)
「地下街で、猛スピードで飛び出してきた電動キックボードに跳ねられそうになった。大変危ない状況だったにも関わらず、向こうは全く気にしてない感じで通り過ぎ、非常に腹が立った」(大阪府・50代)
「観光客が多く、キックボードに乗る外国人がたくさんいます。私が歩いていると、お話をしながら全く周囲を見ることなく前から猛スピードで走って来てぶつかりそうになりました。周囲には小学校もあるところなのに怖いと思いました。キックボードは廃止して欲しいと思います」(京都府・40代)
「駅前の交差点にて、凄い勢いのスピードで歩道を爆走する電動キックボードが信号無視してていました。時速30キロ以上は出ていました。歩道は夕方夕刻の時間帯は人が大勢いるのにそのまま走行。ノーヘルです」(東京都・40代)
当然ながら電動キックボードの二人乗りは禁止ですが、こんな驚きの投稿もありました。
「子どもの学校に電動キックボードで通学している子がいますが毎朝見るたびにヒヤヒヤします。高校生のお兄ちゃんが小学生低学年の妹を前に乗せて(ハンドルを持つ両腕の下に挟まるように立って)歩道を電動自転車と同じくらいのスピードで走っています。自転車もそうですが、明確な交通ルールが無くまたあったとしても徹底されていない状態で本当に危険です。もっと厳しく取り締まりをしないと危ないです」(大阪府・50代)
ドライバーからも、車道を走る電動キックボードの危険運転でヒヤっとしたという声が上がっています。
「キックボードの逆走、横断歩道への信号無視、数えればきりがありません。車を運転している為、毎日遭遇する度にヒヤッとしています。車側も急ブレーキが増えて危険です」(京都府・50代)
「夜23時に国道6号線を若い女性のキックボードが無灯火で横ぎって行き、ヒヤリとした」(千葉県・40代)
「大阪市内のコンビニ駐車場にはレンタルスポットが多い。原付のすり抜けより電動キックボードのすり抜けが多い。また、ヘッドライトが無いので対向がわかりにくい。自転車はヘルメットをかぶれというのに、キックボードは言わない。法が矛盾している」(大阪府・不明)
「外国籍と思われる20代が逆走をしつつ横断したため運転で非常に怖い思いをしたので、 特定の利権のために道交法に適用しないのはありえないと思っている。事故にあったとき、本当に悲惨な目にあうのではと感じている」(大阪府・40代)
「沖縄は道が狭く自転車専用道路さえないのに、キックボードが無謀な運転をしてきます。特に県外の移住者が多く自転車、キックボードには大変迷惑しています。改正道路交通法によりどんどん悪化していると思います」(沖縄県・40代)
その他、次のような意見も寄せられました。
「自転車はヘルメットを被る方向で軽車両として法的に厳格化を目指しているのに、電動キックボードは免許不要、ヘルメット不要。何処でも誰でも気軽に乗れる為、レンタル、販売とも劇的に事業展開出来るようになった。こんだけ得する人がいるのに圧力がないわけない。なぜ、こんなに安全とお金を天秤にかけているのに誰も何も言わないのか不思議です」(不明)
寄せられた声のほとんどが電動キックボードに批判的でしたが、肯定する声もご紹介します。
「ラストマイルのモビリティは絶対に必要。電動キックボードの悪口ばかり挙げ連ねて禁止するべきでは絶対ない。日本はライドシェア参入を禁止したために、アメリカやインドやタイに比べてアプリと乗り物が連携する新しいモビリティの時代に多大なる遅れをとった。
電動キックボードは、アメリカでは首都ワシントンD.C.郊外などCO2削減のためになるべく公共交通手段を使わせるためのラストマイルモビリティの切り札になっているほどだ。なんでも『危ない、怖い、禁止』ではなくて、新しいものはまず取り入れる。その上で、変化が起こることにその都度対応するという積極的な前向きな方向で、社会を進めて頂きたい」(和歌山県・50代)