最近は「結婚式のご祝儀の相場は3万円」と言われており、招待する側も気を遣ってそれに見合ったおもてなしをするものだろう。ところが、昨年夏に挙式したという30代前半の女性は、
「同僚を3人呼んだのですが、ご祝儀が3人とも1万円でした」
と衝撃を語る。
「結婚式場で、披露宴もあって、 お料理に引き出物など1人あたり2万円程度かかっていたので、唖然としました。結婚式場のプランナーさんに伝えると『え?嘘でしょ?』って、言われて……ああ、あまりある事じゃないんだなって思いました」
結婚式は親族含め50人ほど招待し、250万円ほどかかったという。ちなみにご祝儀の総額は100万円ほどだった。もちろんプラスにするために式をしているわけではないが、マナーとしてどうなのかと同僚たちの対応には釈然としない。編集部では女性に詳しく話を聞いた。
「役職にもついていて、仕事のことでは頼れる先輩です」
女性の勤務先は接客サービス業で、3人の同僚の内訳は、20代後半の男性、30代前半の女性、もう一人は20代前半のアルバイトの女性だった。
「20代後半の男性はしっかりされている方で、30代の女性は役職にもついていて、仕事のことでは頼れる先輩です。20代のバイト女性は結婚式に出たことがないと言っていましたが、とても喜んでくれて『凄い楽しみです』と話していました。言われたことはきちんとこなせる方で、ご祝儀のことはネットでそれなりに調べるだろうと思っていましたが……」
3人で相談して1万円にしたのかもしれないが、真相は分からない。彼らとはどの程度の付き合いだったのだろう。
「1年くらい一緒に働いていました。完全なプライベートでは会ったことは、ほぼありません。会社の少人数の飲み会等で、2~3度同じ席になりました」
特別親密だったわけではないようだが、一緒に働いた1年ほどの間、「20代の方は、まあ、若いしなって感じで思うくらい」で、3人とも非常識だと感じるようなことは無かったという。つまり、いたって普通の人たちだったのだ。
しかし、ご祝儀は一人1万円。女性は驚いてしまった。他にそういう招待客はいなかったのだろうか。
「逆にこんなに貰っていいの? って思うくらい大金を包んで来られた元同僚の方はいましたが……。他の方はほとんど3万円でした」
大多数の人が3万円を包んでいたこともあり、同僚3人はかなり悪目立ちしてしまったのだ。
「ショックと言うか呆れましたね……。その事については本人たちには追及していませんが、衝撃的でした」
結婚式場なら「どんなに付き合いが短くても…3万円が妥当」
結婚式の後、同僚たちに対する気持ちや付き合い方がどうなったか聞いてみると、
「なんか、凄いこの人達非常識だなと心の中では思いましたが、表面には出さず、結婚式前と何も変わらぬ程度に接しています」
という答えが返って来た。直接文句を言うわけにもいかないのだから、そうするしかないだろう。しかし見る目は変わってしまった。いくら包んで貰えれば、マナー違反とは思わなかったのだろうか。
「平均的に3万円包んでいただいていたらよかったですね。レストランウエディングや披露宴だけなど、簡易的な結婚式なら1万円でも非常識ではないと思います」
「でも、挙式と披露宴のある、結婚式場でのウエディングの場合は、私が招待された立場でも、どんなに付き合いが短くても、行くと決めたなら3万円が妥当だと思います」
祝う気持ちに変わりがなかったとしても、金額によって相手の捉え方は大きく変わってしまうようだ。