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カーラジオに未来はある? クルマの祭典でradikoと民放連のブースを発見!

2023年11月10日 11:31  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
「ジャパンモビリティショー2023」(旧:東京モーターショー)の会場でradikoと日本民間放送連盟(民放連)のブースを見つけた。クルマをはじめとする乗り物の祭典に「未来のラジオ」をテーマとする展示を行った理由とは? そもそも、未来のラジオとは何なのか。radikoのヘビーユーザーとしては素通りするわけにもいかないので、話を聞いてきた。


○車載IPラジオが普及すると…



クルマとラジオの関係は、以前はもっと深かった。クルマに乗ったらカーラジオを聞くか、あるいはカセットテープを再生するかしかなかった時代は、けっこう前だが昔話というほど古くはない。



その後は車内でCDが聞けるようになり、最近では新車にCDの挿入口すら付いていないのが当たり前になっている。おそらく多くの人が、クルマに乗ったらスマホをUSBあるいはBluetoothでつないで、ライブラリからかサブスクを使うかして音楽を流しているのではないだろうか。もちろん、radikoを使って運転中にラジオを聞いている人が自分以外にもいるとは思うが、多数派じゃないことくらいは自覚できている。



民放連とradikoが組んで「モビリティショー」にブースを出した背景には、「やっぱり、クルマの中でラジオが聞かれなくなりつつある」(民放連の説明員)との認識がある。


確かに、タクシーですら、乗り込んだら目の前の画面で動画が流れていて、デフォルトでラジオがかかっているという状況は少なくなってきている。もう一度、クルマとラジオの深い関係性を取り戻したい。クルマとラジオを掛け合わせると便利だということを伝えたい。ブース出展にはこんな思いが込められているようだ。

「民放ラジオ99局×radiko Touch! Future Radio in Mobility」と題されたブースでは、車載IPラジオの普及により実現を目指す「未来のラジオ」の姿を提示している。IPラジオというのはインターネットを通じたラジオ放送のこと。スマホやPCで聞けるradikoもIPラジオの一種だ。「自動車のダッシュボードにIPラジオが搭載されることでCMのメタデータと自動車の位置情報を連動し、便利で魅力的な『未来のラジオ』が実現します」というのがブースに掲出してあったメッセージである。


車載IPラジオの普及が進み、いろいろなデータの連携なども進展すれば、例えばクルマが走っている場所に応じたラジオCMを流したり、クルマの周辺にある店舗の情報を送ったりといったことが可能になる。地震などの災害時には、エリアに応じたきめ細やかな情報提供ができる。ラジオで定期的に流れる「交通情報」(高速道路の混雑状況や事故の情報を伝えてくれる)も、IPラジオなら場所によって伝える情報を変えられる。



最新のクルマは多くが大型のディスプレイを搭載している。次世代のクルマの車内では、さらに画面の占める割合が増えていくはずだ。ここにラジオ番組や流した楽曲の情報を表示したり、近くの店舗で使えるクーポンを配布したりといったサービスもIPラジオなら可能となる。



日本では、IPラジオを搭載するクルマはまだまだ数が少ないとのこと。これが増えていくには自動車メーカーにIPラジオを採用してもらわなければいけないわけだが、今回のブース出展には、そのためのアピールの意味合いも含まれている。



ジャパンモビリティショー2023の期間中(11月5日まで)は、パーソナリティが未来のカーラジオの「こんなことができたらいいな」をコメントするPRスポット(60秒CM)を民放ラジオ99局で随時放送中。その中で芸人のおぎやはぎさん(TBSラジオ「メガネびいき」を担当)が、「ラジオ番組に声(クルマの音声認識機能)でネタが送れる」というアイデアを出していたが、これなんかは未来のラジオにとって実際に名案なのではないだろうか。IPラジオなら、このくらいの機能は実装できそうだ。運転中に思いついたからといって、車内で「小木ゆっくり言葉」のネタを発声するのは少し気恥ずかしいような気もするが、クルマはプライベート空間なので関係ないし、ラジオのネタを考えながらであれば渋滞も退屈しなくて済みそうだ。(藤田真吾)