「始めからお金を払う気がない人」とは、友人関係は続けられない。しかしそれに気付くまでには、何度か痛い目を見ることもある。東北地方に住む40代女性は、いまから20年ほど前に幼馴染の女友達(A)と絶縁したエピソードを語る。
「Aから『みんなで飲みに行こう』と誘われて男女6人で居酒屋に行きました。メンバーは中学のときの同級生で、皆は進学していましたが、私だけ就職組でした。当時の月給は手取り17万円で、そのときはボーナスが20万円くらい出たばかりでした」
この給料が、「お金がない」が口癖だという友人Aに完全にアテにされていようとは、当時の女性には思いもよらないことだった。どういう状況だったのか、女性が編集部の取材に応じてくれた。
8万円の会計、A以外の友人はいくらかずつ払ったが……
当時集まった仲間は女性4人と男性2人。そのとき運転免許と車を持っていたのは就職した女性だけで、友人たちの送迎をしたため飲酒はできなかった。
「それでも、久しぶりの集まりで皆と楽しく談笑しました。その結果、会計は8万円に」
とかなりの請求額になった。1人あたり1万3000円以上で、酒も飲んでいない女性は完全に割り勘負けになる。ところが
「『かなりいったな』と皆、財布を出し渋る雰囲気になりました。唯一働いていた私は、カッコつけて『私が払うよ!ボーナス出たし』と一括負担を申し出ました。そうは言っても、A以外の友人は『悪いし』と会計終わりにいくらかずつ払ってくれました」
結局その場では5万円ほどを女性が払う形になった。
「不思議なのは、そのとき払わなかったAが私の隣にしっかりと居たことです。憶測ですが、今思うと財布にいくら入っているのか確認をしていたのかもしれないです」
こう疑いたくなるのも無理はない。その後、「まだ飲み足りないし、時間早いね!カラオケ行こう~」というAの発案で移動したカラオケ店で、彼女から驚きの言動が飛び出すことになる。
ペロペロ~と舌を出して「あっ!5円しか入ってない!!」
カラオケは大盛りあがりのうちに終わり、その日2度目の会計でのこと。
「さっきたくさん支払ったし、ここは、皆で出してくれたらな……と淡い期待をしながら会計すると、3万数千円でした。ここで、隣に居たAからまさかの発言がありました!『あれ?〇〇(私)、さっき支払いしてないよね?』と」
ほとんどの金額を一人で払った女性に対し「払っていない」とは、どういうつもりだったのだろう。
「絶句して固まった私に、他の友人が『〇〇(私)がさっき、全部、払ったよ!』と援護してくれました。Aは渋々な顔で『あっ!そうだった?じゃあ~皆で割る~?』と財布を出しましたが、『あっ!5円しか入ってない!!』とペロペロ~と舌を出して……」
その瞬間、「やってくれたな!」と全てを悟った女性だったが、Aは「ごめん!次、会った時に返すから」と悪びれる様子もなかったという。
「居酒屋でいくらか出してくれた友達たちも財布状況が厳しくて、半ば諦めと腹立たしくも、会計は私が支払い、皆を送り届けました。居酒屋で8万のうち3万は皆で負担してくれて、カラオケで3万は私持ちです。結果的に8万の出費に愕然としました」
そもそもお金がないのに遊び過ぎたわけだが、「楽しかった時間の代償だ」と心にしまってこの件を水に流した。ところが、後日Aから再び男友達との飲みの誘いがあり、女性はそこでAの本心を知ってしまう。
「私なんて最初から財布持ってかないよ。お金は男に出させればいいから!」
女性はAの誘いに「お金がない!」と断った。「むしろ前回の無銭飲食など知らん顔で、よく誘うな……と苛立ちが込み上げてきたとき、Aからまさかの発言が」あったという。
「Aは『私もお金ないよ~。財布なんていらない、いらない! 私なんて最初から財布持ってかないよ。お金は男に出させればいいから! と、悪びれもせず……超絶句でした! あの居酒屋、カラオケは最初から支払うつもりがなかったんです。幼馴染の友達ですら食い物にするとは、呆れて怒る気にもなれず、『そうなんだ……私はさすがに、お金もないのに参加はできない』と断りました」
心底ガッカリした女性は、Aとの絶縁を決めたという。
「携帯番号を変えて、その後は音信不通となりました。いくら昔からの友達でも、友達とは限らないと思い知らされた一件でした」
と寂しげに心情を語ってくれた。
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