ST1000クラスはダンロップタイヤのワンメイク開催で、歴代チャンピオンには高橋裕紀、そして3連覇を達成した渡辺一馬(Astemo HondaDream SI Racing)と強豪が名を連ねるクラス。そのほか、BSB帰りの高橋巧、國峰啄磨や榎戸育寛といった勢いある若手もおり、初挑戦となるライダーたちは、排気量の違うマシンへの乗り換えや、マシンの改造範囲も制限されるため苦戦を強いられることも少なくはない。
そのことが「自分がバイクに合わせることへの練習になった」と語る荒川は、第6戦オートポリスで大きな飛躍を見せる。レース1・2ともにスタートから先頭でリードする展開を見せ、レース1では榎戸育寛(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)と激闘の末に惜しくも敗れたが、初の2位表彰台を獲得。
予選で3番手を獲得すると、決勝のスタートでは2番手につけてトップ集団に加わる。序盤から國峰啄磨(TOHO Racing)と榎戸、さらに高橋巧と高橋裕紀(JAPAN POST HondaDream TP)らのチャンピオン候補が続々と転倒する波乱の展開となった。それにより、独走体制となった荒川が、悠々たるレース運びで2勝目を挙げ、ランキング2位でルーキーイヤーを締めくくった。