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100年続くウイスキーの聖地・山崎蒸溜所へ

2023年11月06日 00:01  オズモール

オズモール

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◆ジャパニーズウイスキー始まりの地「サントリー山崎蒸溜所」へ。100年続くものづくりを体感

今から100年前の1923年は「サントリー山崎蒸溜所」の着工、すなわち日本で本格的にウイスキーづくりが始まった年。100周年を機に、この山崎蒸溜所がリニューアル。2023年11月からリアルなツアーが刷新されてスタートします。世界に誇るジャパニーズウイスキーの歴史を刻むその地を訪れ、ものづくりの現場を見てきた様子を編集部がレポート。



京都駅からもアクセス◎。天王山のふもとに蒸溜所を作った理由
京都駅からJR京都線で14分、山崎駅から歩いて約10分。蒸溜所は山奥にあるイメージでしたが、サントリー山崎蒸溜所は目の前を電車が走り、敷地内にはなんと一般道が走るという珍しい敷地です。京都と大阪のちょうど中間地点、西国街道が通るこの地は交通の便が良く、流通にもとても便利だったということがうかがえます。
蒸溜所の奥には山がそびえ、千利休も愛した名水の里と知られています。3つの川が交わるここは霧が発生しやすく、湿潤な風土ということもウイスキーづくりに最適な環境なのだとか。



蒸溜所の玄関口「山崎ウイスキー館」
緑の小道を歩いていくと、リニューアルしてピカピカのウイスキー館がお出迎え。こちらは唯一創業時から残る建物で、当時の梁がそのまま残っているのを見ることができます。クラシックな装いの建物の中には、100年前に始まったウイスキーづくりの歴史や歴代の商品ラインナップ、ウイスキーにまつわる豆知識などが展示されていて、ウイスキー博物館としての一面も。また、ウイスキーの有料試飲ができるテイスティングラウンジや、オリジナルグッズが購入できるショップもあり、ここを訪れるだけでも楽しめるスポットです。(見学・利用は要予約)



実際にウイスキーをつくっている現場へ潜入
今回の取材では、ウイスキーづくりの工程を見学。まずは仕込室へ。大きなタンクには原材料の二条大麦の麦芽を砕いたものと山崎の仕込水が入っていて、ここで麦のジュースがつくられます。次の工程の発酵室へは実際に入ることができました。体感はむわっと暑く、確かに何かが発酵しているような甘い香り。巨大な木桶のふたを開けると酵母を加えた麦のジュースが発酵してものすごい勢いで泡が! ほおっておくと泡があふれてしまうので、撹拌して押さえているのだとか。泡が飛び散る様子が実際に見られる貴重なタイミングに出会うことができました。



発酵してできあがったもろみは、蒸溜室へ。蒸溜が行われているここは、さらに暑さを感じます。ポットスチル(蒸溜釜)は銅で造られたユニークな形状ですが、よく見るとそれぞれ大きさや形が異なるのがわかります。釜の形状や火のかけ方の違いでも原酒の状態が変わり、多彩な風味をつくり出しているのです。蒸溜は2回行われ、初溜でアルコール度数約20%、再溜でアルコール度数約70%になり、「ニューポット」と呼ばれる無色透明の“生まれたてのウイスキー”が誕生します。



ウイスキーが静かな眠りにつく貯蔵庫へ
こちらに入ると少しひんやりした空気になり、もうウイスキーらしき香りがむんむんと漂っています。蒸溜所と聞くと想像されるのが、この樽がたくさん並んでいる光景の方も多いと思いますが、ここは蒸溜したウイスキーの原酒が眠る場所。長い年月をかけて透明なアルコールが琥珀色になっていきます。例えば「山崎25年」は、“最低”25年熟成された樽からブレンドしたウイスキーなので、当然25年以上の歳月をかけてつくられているのです。




大きさや木の種類の違う樽に入れて、バリエーション豊かなウイスキー原酒を育てます。特に山崎ならではのウイスキーを特徴づけているものの一つが、希少なミズナラの木を使った樽。白檀や伽羅のような独特の香りは、世界でも注目されています。
樽にはニューポットを詰めた年が書かれていて、中には創業当時の1924年の文字が刻まれた樽も置かれていました。
これらの多種多様なウイスキーの原酒をブレンダーがブレンドして、商品としてのウイスキーが出来上がります。何万種類もある原酒を一つひとつ見極めてブレンドするのがどれだけ大変なことか、頭が下がる思い。

日本のウイスキーは、今や海外からのニーズも多く、なかなか手に入らないものも。でもウイスキーをつくるには年単位どころか何十年単位の長い時間が必要。なぜ今こんなにもブームになっているのに、手に入りにくいものもあるのかがよくわかりました。



ウイスキー原酒に囲まれて楽しむテイスティングラウンジ
ウイスキー館の中に広がる、大きなポットスチルをモチーフとしたカウンターが印象的なテイスティングラウンジでは、ゆっくりとくつろぎながらさまざまなウイスキーの有料試飲が楽しめます。中には蒸溜所限定のウイスキーや、通常は市販されていない原酒なども。

そして驚くのが壁一面にずらりと並ぶウイスキー原酒のボトル。手のひらサイズのボトルは約3000本あり、すべて違う樽から取り出したもの。色の違いやラベルに書かれたデータも見ていると楽しく、ウイスキー好きはこれを眺めているだけでも1日過ごせるという話も。



世界の頂点に立ったジャパニーズウイスキーを試飲
そんな中、今回は特別に「超」が付くほど希少なウイスキー「サントリーシングルモルトウイスキー 山崎25年」をいただきました。
「山崎25年」は、2023年9月に開催された「第28回インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」において、コンペティションにエントリーした全部門約2300品の頂点に立つ「シュプリーム チャンピオン スピリット」を受賞しています。

そんな話を聞いて、若干震えながらもグラスに鼻を近づけると、華やかで甘くてフルーティな香り。熟した果実やマーマレードと称されますが、私はチョコレートを想像しました。アルコール度数は43度なので高いのですが、原酒を口に含んでもキツイという印象はなく、深くまろやかに口の中に広がります。余韻は香ばしさやスパイシーさもあり心地よく抜けていく感じ。
“馥郁(ふくいく)とした”という表現は小説でしか見たことがないのですが、この表現がぴったりなくらい高尚な、心まで満たされるような香り。シングルモルトでありながら多彩で複雑な味わいになるのは、今まで見てきたさまざまな知恵と技術と歴史のなせる業なのだと体感しました。



ツアー参加は約2カ月前から予約抽選制で受付
山崎蒸溜所ツアーは「山崎蒸溜所 ものづくりツアー」と「山崎蒸溜所 ものづくりツアー プレステージ」の2種類あり、抽選制で予約が必要。どちらも蒸溜所でウイスキーづくりの工程を見学できて試飲も可能ですが、それぞれ見学する内容や試飲できるウイスキーが異なります。「山崎蒸溜所 ものづくりツアー プレステージ」では、新しくできたゲストルーム「The YAMAZAKI」で工程の映像を見たりテイスティングが可能。樽材や引退したポットスチルで造られたサステナブルなインテリアに囲まれて、豊かな緑を眺めながらVIP気分を味わえます。

100年引き継がれたものづくりのスピリッツを感じられるこの場所で、ウイスキーにとことん向き合う時間。京都や大阪からのアクセスもいいので、関西旅行の工程に加えてみるのもおすすめです。

ツアー・見学申し込みについて(いずれも要予約)
・山崎蒸溜所ツアー(有料・抽選制)
2024年1月開催分の受付:2023年11月7日(火)10:00~11月13日(月)16:29
※申し込みはWEBのみ
・山崎ウイスキー館見学(無料・先着順)
2024年1月開催分の受付:2023年11月20日(月)10:00~
※申し込みはWEB・電話にて