フェラーリAFコルセの51号車フェラーリ499PでWEC世界耐久選手権に参戦しているジェームス・カラドは、ハイパーカークラスの上位に近づくことに「頭を悩ませている」同陣営にとって、第7戦バーレーン8時間レースは厳しい一戦になると予想している。
■最終戦は「最悪のコース」。フィーリングは良いが、2~3秒遅い
6月のル・マン24時間レースで優勝して以来、ファクトリーオペレーションのフェラーリ499Pの2台はともに、シーズン後半戦で苦しい戦いを強いられている。木曜日、フェラーリの2台はバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われたフリー走行1では8番手と9番手、フリー走行2では10番手と11番手に終わった。
アレッサンドロ・ピエール・グイディ、アントニオ・ジョビナッツィとともにル・マンを制したカラドは、フェラーリは現在、直線スピードを含め「すべての領域で劣っている」とメディアに語った。木曜日に499Pが記録したトップスピードは、全体ベストより8.1km/h遅かった。
フェラーリは、シーズン最終3戦で発行されたマシンのバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)に不満を持っていることで知られている。
「ここまでは、まったくペースが上がらない」とカラド。「困惑し、頭を悩ませている。クルマのフィーリングはとてもいい。でも、ペースは2~3秒足りていないんだ」
「その原因の多くは直線のスピードだ。いつもはトップスピードでトヨタと互角に戦えるのに、なぜか今は大きな差がある。そして、コーナリングスピードも少し足りない。前回のレースと比較するしかないが、すべての面で劣っている」
フェラーリは前戦富士6時間レースで4位と5位を獲得した。このレースでは、1台のマシンで序盤に試しにミディアムを履いた以外は、最終スティントまでハード・コンパウンドのタイヤで走ることを優先した。ミシュランはバーレーンでも、ハードとミディアム、2種類のコンパウンドを持ち込んでいる。
「ル・マンを除けば、シーズンを通してデグラデーションにはいつも苦労してきた」とカラドは振り返る。
「このコースは、その点ではシーズン最悪のコースだ。レースにはあまりいい影響はない」
「いつもなら、少なくとも1周の速さでは順位を上げることができるのに、どういうわけか、その部分でもまだ競争力がないんだ」
「まだFP3が残っているから、少し変更して何が必要なのかを確認する。ちょっと未知数だけど、できる限りベストを尽くすよ」
■「レースでミディアムを使うことはないだろう」
フェラーリは先月、バーレーン・インターナショナル・サーキットでテストを行っている。
「僕らはテストを実施し、プログラムも遂行したが、テストでは現実を思い知らされた。今回も、難しいものになると認識している」とカラドは語った。
「本当に、本当にタフになることは明らかだった。(テストでは)気温は10度ほど高かった。(今週は)気温が低いから助けになると期待していたけれど、現実はテストと同じ状況だよ」
カラドは、フェラーリがタイヤに厳しいサーキットでのデグラデーションに対応するため、異なるセットアップでバーレーン入りしたことを示唆した。
「タイヤが新しい状態でスティントをスタートするとき、おそらく1周のラップペースに関しては少し妥協しなければならないだろう。だが、僕らは耐久性の面に取り組んでいるんだ」とカラド。
「(コンスタントなペースで)ダブルスティントをこなすのは、このコースでは簡単なことじゃない。だから僕らの焦点はレースでできる限り良い結果を出せるように努力することであり、予選ではそれほどうまくいかないかもしれない」
「(レースでは)ミディアムを使うことはないと思う。僕らのクルマには合わないんだ。テストでも試したし、ここ(フリー走行)でも試した。僕らにとって、それは機能しない。もっと硬いコンパウンドが必要なんだ」
フェラーリの耐久レースカー責任者であるフェルディナンド・カニッツォは、FP2でのタイヤマネジメントに「とても満足している」と答え、チームの可能性について聞かれると、より楽観的なトーンで答えた。
「もちろん、我々の目標は最後まで戦い抜くことだ。明らかに、僕らにはやるべき仕事がある。それは大きなチャレンジだ」
「たとえミッションが不可能に見えたとしても、フェラーリは、レース前に決して諦めたりはしない」
「だが、戦略でもセットアップでも、少なくとも表彰台を狙えるようなコンディションにするために、あらゆる面で何かを見つけようとしているんだ」