2023スーパーGT第8戦もてぎ 笹原右京(Deloitte TOM’S GR Supra) 10月27~28日に三重県の鈴鹿サーキットで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦での決勝レース中、大津弘樹(TCS NAKAJIMA RACING)と130Rで絡んで大クラッシュを喫した笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)。幸い、脳震盪以外に外傷があるという診断はなく、モビリティリゾートもてぎに元気な姿で登場した。メディカルチェックも無事にクリアし、今週末の最終戦には問題なく出られることがわかった。
鈴鹿サーキットで10月28日に行われたスーパーフォーミュラ第8戦の決勝4周目に、笹原と大津が2台並んで130Rに進入。そこで、2台が接触し、コントロールを崩した。このうち、大津の車両はスポンジバリアにクラッシュし、マシンが横向きになっていたが、笹原はスピンした際にマシンが浮き上がり、スポンジバリアの上をかすめる形で後ろのキャッチフェンスにクラッシュ。モノコックから前の部分が反対側にあるデグナー側の土手に着地するという、非常に大きなクラッシュとなった。
クラッシュ当時、笹原は意識があったものの、脳震盪の診断を受け、三重県内の病院で検査をした。その結果、骨折や打撲等は確認されず、翌日には退院して、笹原のマネージャーチームとともに東京へ戻ったという。
今週の月曜日に、再度精密検査を行ったが“異常なし”という結果が出た。スーパーGT最終戦が行われるモビリティリゾートに到着した笹原は、今週末のレースに出走できるか否かも踏まえてメディカルチェックを受け、出走に支障がないことが分かった。
15時41分付けでTOM’Sが公式X(旧Twitter)を更新し「ドクターからの許可が出て、明日から走行が可能になりました」と報告。予定通り、明日からジュリアーノ・アレジとともにDeloitte TOM’S GR Supraをドライブする。
脳震盪の診断があるため、スーパーGTの脳震盪プロトコルを考えると事故から1週間はレーシングカーの走行ができないのだが、37号車の山田淳監督に確認したところ、適用期間は今日までのこと。そのため、明日からは通常通り走行できることとなる。
かなり激しいクラッシュだったこともあり、パドックでは笹原のもとに多くのドライバーや関係者が立ち寄り、声をかけていた。また絡んだ相手となった大津とも、パドックで握手をする場面がみられ、お互い体調を気づかうなど、ときには笑顔で会話しているシーンも見られた。ここに関しても、特にわだかまりというものはなさそうだ。
メディカルチェックやチームとのミーティング、関係者への挨拶と、終始忙しそうにしていた笹原。本人のコメントを聞くことはできなかったが、11月1日に以下のメッセージを自身のSNSで発信している。
【笹原右京 事故後のメッセージ】
スーパーフォーミュラに関わる全ての皆様、ファンの皆様、この度は多大なご心配をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
土曜日のレースがあのような形で終わる結果となり、せっかく楽しみに観戦に来ていただいたファンの皆様のお気持ちを考えると、胸が締め付けられる思いです。
チームより既報の通り、精密検査にて軽度の脳震盪、それ以外異常無しとの結果を頂きました。
オフィシャルやメディカルの素早いご対応と護ってくれた有形無形の全てに深く感謝申し上げます。
安静と静養に集中していたため、SNS等から離れていたことをお許しください。
頂戴した沢山の応援やメッセージはこれからゆっくり拝見させていただきます。本当にありがとうございます。
笹原右京
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スーパーGTでは、第7戦オートポリスで一時トップを快走したほか、自身のスティントではオーバーテイクも見せるなど、攻めの走りをみせていた笹原。最終戦となる今回も、彼らしい走りを期待したいところだ。