人生のなかで尊敬できる上司に出会えると、のちのちまで良い影響がもたらされるようだ。
「さまざまな会社で正社員として働いてきましたが、そんな私が今も尊敬している上司は、大学生のときにアルバイトしていた飲食店で出会った女性支配人です。その人は当時40歳ほどで、かわいらしい見た目と話し方で実年齢よりだいぶ若く見えました。やわらかい雰囲気で、大学生のアルバイトでも話しやすく、優しいお姉さんという感じでした」
こう語るのは、東京都の40代前半女性(クリエイティブ/メディア・アパレル・デザイン/年収100万円未満)。支配人はとにかく仕事ができる人だったので、女性は「社会に出たら、いろんな経験を積み、技術を身につけることが大事なのだと支配人から学びました」と当時を振り返る。(文:福岡ちはや)
「支配人はアルバイトに的確な指示を出すので、混乱することは一度もなかったです」
女性がアルバイトをしていた飲食店では夜にお酒を出していたため、団体客でてんやわんやすることも多かったそうだ。ただ、「支配人はアルバイトに的確な指示を出すので、混乱することは一度もなかったです」と女性は言う。
「支配人自身もテキパキと動き、細い体でビール瓶をケースごと運んでいました。何よりすごいのは、どんなに忙しくてもお客をよく見ており、お客に呼ばれる前に必要なものを持っていくことでした。お客がおしぼりを落としたら、呼ばれる前におしぼりを持っていく、という具合です」
「ほかにも支配人に学んだことがあります。誰にも分け隔てなく接し、いつも笑顔でいることは、周りだけでなく自分のためにもなるということ。なぜなら自然と人が寄ってきて、いろんな体験や学びの機会が生まれますから。支配人の若さの秘訣はそこにあったと思います」
現在は当時の支配人と同じくらいの年齢になった女性。支配人の最終学歴が中卒だったことを踏まえ、「歳を重ねるにつれ、学歴は意味をなくしていくと実感しています」と言い、
「私もいくつになっても学ぶ人であり続けたいです」
と、いまだに尊敬する支配人の背中を追いかけていることを明かした。
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