WEC世界耐久選手権のLMP2クラスに参戦しているロバート・クビサは、2024年にハイパーカークラスへと移籍することを視野に、ポルシェ963のカスタマーであるハーツ・チーム・JOTAと話し合いを持ったことを認めた。
■本来はファクトリープログラムを模索?
JOTAは2024年、2台目の963を導入して体制を拡大することを視野に入れており、以前にドイツのメディアは、この取り組みに対して複数の元F1ドライバーが参加する可能性を報じていた。このうち、ジェンソン・バトンはJOTAとの話し合いを認めている。
チームの共同オーナーであるサム・ヒグネットは数週間前、キミ・ライコネンの関与を否定していたが、クビサに関しては両者が接触していることを認めた。
「僕がJOTAとコンタクトしていることは秘密ではないし、長い間、選択肢のひとつとしてJOTAがあったことも秘密ではないよ」とクビサ。
10月30日には、現在ドライバーを務めているアントニオ・フェリックス・ダ・コスタが来季は参戦しないことを明らかにしているため、少なくとも38号車のシートのひとつは空くことになっている。
クビサはJOTAを称賛し、他にファクトリー契約が実現しなかった場合に検討する有力な選択肢になる、と述べた。
「12月には僕は39歳になるけど、現在でさえコンペティティブなクラスは、来年さらに激しい競争となるだろう」とクビサ。
「不可能だとは言わないが、ハイパーカーのプライベーターにとって、ファクトリーと競争するのは大きな挑戦だ。僕はJOTAでレースをしたことはないけど、JOTAにはすべての要素がそろっていると思う」
「別の言い方をすれば、もし僕がWECに参戦したい自動車メーカーだとしたら、おそらくJOTAに最初に声をかけるだろう」
「大きな尊敬の念を抱いているし、彼らとはレースで対戦したこともある。そうだね、プライベートチームだけど、とてもいい形で運営されていると思うし、僕は行ったことはないけど、チームには大きな敬意を抱いているんだ」
クビサは、JOTAとの提携の可能性は当初からあったものではなく、別の場所での契約が決裂したことを示唆した。
「いくつかの話が進行している。正直に言えば、僕は自分の、いわば好ましい選択肢を持っていたし、これはもうずっと前に決まったことだと思っていた」
「だけど残念ながらそれは実現しなかったので、正直なところ、人々が常にそうしようとしているように、僕は自分自身にとって最良の枠を見つけようとしている。正しい決断を下せることを期待しているよ」
彼の言う“好ましい選択肢”とは、現在所属しているチームWRTのファクトリーBMWプログラムからWECに参戦することを指しているのかと質問されたクビサは、その可能性を軽視して次のように答えた。
「早い段階からいくつか話はあったけれど、それは最終目的地ではないと思う」
■IMSA出場の可能性もあるが「まずはWEC優先」
クビサはまた、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権への移籍よりも、WECでのシート獲得を優先すると付け加えた。
「僕はWECにフォーカスしているし、自分の将来もここで考えている。僕の優先順位はWECなんだ」
クビサは以前、デニス・アンデルセン、アンデルス・フィヨルドバッハ、フェルディナンド・ハプスブルクとともに、ハイクラス・レーシングのオレカ07ギブソンでデイトナ24時間に参戦した。しかし、序盤にギヤボックスのトラブルが発生し、クビサがレースで周回を重ねることはなかった。
彼はGTPラインアップの一員としてデイトナに戻ることに興味があると明かしたが、WECの計画を固めることがウェザーテック選手権への復帰よりも優先されると強調した。
「IMSAは非常に競争の激しい選手権だ」とクビサ。
「ドライバーになり、マーケットに出るためには、そこにいる必要があると思うし、デイトナに出るという話もいくつかあった」
「LMDhに関する話もあったけれど、まずはWEC(のドライブ)を明確にして、優先順位を決めなければならない。それから、様子が分かるだろう」