企業が採用面接をするのは、応募者の人柄や能力を直接見て判断するためのはずだ。しかし世の中には、常識では考えられないような基準で合否を決める企業もある。大阪府の50代前半の女性(事務・管理/正社員・職員/年収450万円)は、約10年前に受けた「非上場の小規模化粧品会社」の面接を振り返る。
「60代くらいの女性社長と50代くらいの男性が面接官でした。面接の様子から察するに、社長の完全なるイエスマンの男性。一通りの面接内容が終わり、質問等の時間になり、私なりにその企業への質問や意欲を述べました。最後のほうで女性社長からの質問で『あなた、四柱推命では何になるの?』と質問され、たまたま知っていたので『一白水星です』と答えました」
(文:福岡ちはや)
「やはりあなたは一白水星の生まれのようだ。雇用ができなくなった」
四柱推命は古くからある東洋の占い。女性が答えた「一白水星」は四柱推命ではなく九星気学になるが、女性社長は次のように反応したという。
「多分、一白水星ではないですよね?話してる感じが一白水星ではないし、第一、私(女性社長)は今まで一白水星の人と仕事したことがないし、相性が良くないの」
女性は社長の言葉の意味が理解できず、面食らってしまった。しかし、面接終了時には「来週早々にでも出社してもらう」と採用の回答をもらったため、四柱推命のくだりが気になりながらもお礼を述べたという。そして喜びも束の間、女性は帰宅途中に思わぬ電話を受けることとなった。
「先ほど面接を受けた会社の面接官の男性から電話があり、出てみると『あなたが帰ってから調べたら、やはりあなたは一白水星の生まれのようだ。(占いによると)社長とは相性が悪く、このまま雇用することができなくなった。残念だがご縁がなかったとあきらめてくれ』とのこと」
当時を思い出し、女性は「一体何を言っているのか半ばわからなかった」と呆れ返る。
「私個人の能力やスキル、人となりではなく、あくまでも占い重視の企業であることが露見し、その場で私からも採用を辞退した。今考えてもまったく意味がわからず、腹立たしい面接のエピソードだった」
占いを理由に採用撤回するなど理不尽すぎるが、百歩譲って、占いを重視するなら書類選考の時点でふるいにかければいいのにと思わずにはいられない。
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