2023年の全日本スーパーフォーミュラ選手権の最終戦となる第9戦『第22回JAF鈴鹿グランプリ』の決勝レース(31周)が鈴鹿サーキットで開催され、予選2番手から目の覚めるようなスタートダッシュを決めた太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が終始レースをリードし、SF初優勝を飾った。タイトル争いは、3位表彰台を獲得した宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM'S)がポイントリーダーの座をを守り切り、国内トップフォーミュラの王者に初めて輝いた。
そのオープニングラップでローソンに1.3秒のギャップを築いた太田は、その差をキープ。ローソンと宮田との差も同じくらいで、上位3台は単独走行の様相に。野尻は宮田の2.9秒後方、上位3台からはやや離れている。周回数が10周を過ぎ、まずは5番手走行の松下信治(B-Max Racing Team)、9番手走行の牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)ら5台がタイヤ交換に向かうが、上位陣はステイアウトを選択。翌周には13番手スタートからポイント圏内までポジションアップしていた小林可夢偉(Kids com Team KCMG)がピットインするが、ピット作業中にアクシデントかタイムロスしてしまう。ペース良く追い上げていたが、ほぼ最後尾まで後退することとなった。
トップの太田は14周を終えてピットイン。DOCOMO TEAM DANDELION RACINGは5.4秒と驚く作業タイムで太田を送り出し、太田は事実上の先頭を守ってコース復帰。すでにタイヤに熱の入ったローソンと宮田が後ろから迫り、前方には数台のマシンが並ぶタフな状況だったが、太田は落ち着いて1台1台をクリア。ローソンもタイムロスなくクリアしていき、2台の差は1秒半のまま、緊迫した周回が続いた。