会見に出席した宮田莉朋(左)、野尻智紀(中)、太田格之進(右) 10月28日に三重県の鈴鹿サーキットで開催された2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦。決勝後の会見で優勝を飾った野尻智紀(TEAM MUGEN)、2位の宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)、3位の太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、そしてTEAM MUGENの田中洋克監督がレースを振り返った。
■野尻智紀(TEAM MUGEN)
決勝 優勝
「レースの終わり方自体はファンの方々が望んでいたものではなかったと思いますが、彼ら(クラッシュした大津弘樹と笹原右京)の無事を祈って、早くまた一緒にレースができればと思います」
「レースに関しては、スタートが非常に良かったのでポジションをキープして1コーナーに入れた、というのは大きな要素だったと思います」
「ただペースは宮田選手の方が良さそうな感覚はあったので、仮に僕が10周目にピットに入ったとしたら宮田選手はペースアップしていたんじゃないかなぁと勝手に思っていました」
「(事実として)トップを走ってはいましたが、このあとの展開はそんなにナマ優しいものではないだろうなと考えていました」
「(レースを続けられなかったという点では)残念ではありますが、チャンピオンシップの点差を縮めることができたので、自分達にはまだ流れがあるかなと感じます」
「明日はよりエキサイティングな1日になるのではないかと思うので、精いっぱい力を出し切りたいなと思います」
■田中洋克監督(TEAM MUGEN)
「(今回のレースでは)大きなクラッシュが起きましたが、ふたりのドライバーが大事に至らなかったということで安心しました」
「レースを続行したかったという想いはありますが、ドライバーとオフィシャルの皆様の安全を考えると、今日はこれ以降のレースを行うことができないということも理解しています」
「また明日、改めてみなさまにいいレースを見せることができると良いなと思います」
午前中に行われた予選では、チームメイトの野尻智紀とリアム・ローソンによるポジション争いが見られたが、それを踏まえてふたりにはレース前にどのような言葉をかけたのかという問いに対して、
「まず(第7戦)もてぎでの争いも踏まえて、ふたりには同士討ちになるような接触は避けるように伝えて、この最終戦に臨みました」
「フェアな戦いというものを前提にしてはいたのですが、予選でユーズドのタイヤを履いて出たリアムも、チャンピオンを争っているなかでできる限りのことをしたいという想いもあったと思います」
「リアムには『あれはやりすぎなんじゃないか』と伝えましたが、必要以上に話すこともよして、『気持ちを切り替えてしっかりレースを走ってくれ』と話しましたし、野尻は予選中こそイライラした様子の無線もしていましたが、(ガレージに)帰ってきたときには本人も落ち着いていました」
「(明日のレースについては)現時点では、野尻の方がチャンピオンに近いので、予選順位にもよりますが状況によっては(順位変更の)オーダーを出す可能性はあるかと思っています」
「(チャンピオン獲得の)確実性においての判断でチームオーダーを出すこともあるかと思いますし、それは事前にチーム内でも共有しています」
■宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)
決勝 2位
「(クラッシュした)笹原選手は意識があると聞いていますが、クラッシュしたクルマがコースの反対側まで行ってしまったということは深刻なことだなと…」
「クラッシュしてしまったふたりの安全が心配ですが、どんどんと進歩して速くなっていくクルマやこの争い自体の安全性を確認しなければいけないレースになってしまったなと思います」
「(レースでは)スタートで出遅れてしまいましたが、そのあとすぐに抜き返すことができました」
「そこからは、『自分たちのレースをしよう』と切り替えていたので、ポジションを取り戻すことができたのは良かった点だと思います」
「(ポジションを上げた後の野尻との差に関しては)自分でなんとかできるだろうか…という感覚でしたが、余裕で追いつけるわけでもめいっぱい追い上げなければならないというわけでもなかったと思います」
「ただ、今日のレースで見えた状況が明日に繋がるかも不透明ですし、スタートに関してはいろいろと悩んでいて、良いところを見つけ切れていないのでそこは明日の課題だなと思います」
■太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
決勝 3位
「スタートについては、今シーズンを通して悩むことも多かったのですが、今回はポジションを上げることができました」
「(良かったスタートのポイントを問われて)練習などで何かカギを見つけたというわけではないので、核心的なコツを掴んだスタート時刻ではなかったのですが、たまたま上手くいきました(苦笑)」
「そのあとは抜き返されてしまいましたが、予選のポジションやスタートが良かったので、表彰台を獲得することができたのかなと思います」
「なのでこの表彰台獲得は、シーズンの前半を考えてみても満足できる結果と言えるかなと感じます」