千葉県の40代前半の女性(営業/年収200万円)は、4年前に職場の先輩から宗教団体へ勧誘されたことがある。当時の女性は入社半年ほどの新人で、その先輩とは月1回の会議で会い、一緒にランチを食べる仲だった。女性は先輩から「今度会いに行きたーい」とずっと言われていたため、休日に女性の自宅の最寄り駅で会う約束をしたのだが……。
「どこかに遊びに行くのかな?と思い、いろいろ調べていたのですが、(先輩は)『ファミレスでいい』と。『どうしてもファミレスがいい』と言われ、私の車で5分ほど走りファミレスへ」
ファミレスに着くと、「最近どう~?」という他愛のない話が始まった。しかし、女性が「子どもいない。持病があり……」と話すやいなや、先輩は「その持病はあなたの行いのせいよ」と言い、宗教団体の冊子を出してきたという。(文:福岡ちはや)
お寺のお守りを見て「もうこれ見るだけで吐き気がする!」
急に人が変わったかのように宗教団体の冊子を頭から読み始める先輩を前にして、女性は内心穏やかではなかった。
「私はサーッと冷めて下を向き、テーブルの下でスマホでその宗教について検索しました。これはやばいと思って、それからずっと下を向いて無視することにしました。それでも構わずその方は『ねえ聞いて』と真剣に全文読みました。そのあと私は生返事で『あ~』とか『へっ』とかバカにした態度を取り、無視を続け、『もう帰りましょー』と言って強引に終わらせました」
自分の家庭の話を織り交ぜながら何かを一生懸命話す先輩の姿を、女性は「普段の様子とは違い、とても必死でした」と振り返る。ファミレスから帰る際も、先輩は女性の車に付けられた成田山新勝寺のお守りを見て「もうこれ見るだけで吐き気がする!」と異様な反応をしていたそうだ。女性は、
「人の車に乗っていながら、よくそんなキレられるな。歩いて帰れよと思いました」
と当時の胸中を綴った。その後、女性は先輩のLINEをブロック。また、月1回の会議では先輩のほうから無視するようになったため、幸い「被害はなかったです」とのことだ。
女性いわく、先輩はこの事件以降も「また新たな獲物を探してるようでした」という。実際、先輩の宗教勧誘が原因で仕事を辞める人まで出ていた。女性は、
「(会社を辞めたのは)とても優秀な方でした。(中略)『(宗教に)勧誘されて、それが嫌で辞めたんですよ』と職場にはチクリました。その2か月後に、会社の規約に『宗教の勧誘の禁止』という項目が追加されました」
「その辞めてしまった人に聞いたのですが、『コロナは人災。私の宗教へ入信し祈りなさい。止められる』みたいな長文のLINEが届いたようです」
と後日談を明かす。
ちなみにその先輩は、今も会社にいるという。
「思えば、(先輩は)ランチでも1000円のランチを『高~い』と言ったり、身なりもそれなり。髪も白髪で、人の話をずっとニコニコ聞いていて、相手に寄り添うような話し方をしていて、ほぼ初対面でコミュニケーション力が高いだけかと思っていましたが、宗教に勧誘する目的(があったのか)と、宗教にお金をつぎ込んでるからお金がないのかと合点がいきました」
宗教を信じるのは個人の自由だが、自分よりも立場の弱い職場の後輩を強引に勧誘するのはやめてほしいものだ。
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