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文化服装学院の文化祭が4年ぶりに通常開催へ レスリー・キーがショーを撮影した「SUPER」特別版を販売

2023年10月22日 15:01  Fashionsnap.com

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「Super Bunka Fashion」イメージ

Image by: 文化服装学院
 文化服装学院が、同校最大のイベントである文化祭を4年ぶりに通常開催する。期間は11月2日から4日まで。通常開催の復活に伴い、ショーの運営全てを学生が担うという長年の伝統はそのままに、取り組み方を根本的に変更。「学生が自由なクリエイティビティを発揮できる作品発表の場」を目指して様々な新たな取り組みを始動する。

 同校の文化祭はコロナ禍の影響を受け2020年は中止。2021年はオンラインで開催し、2022年は事前予約制で規模を縮小した有観客でのショーを行っていた。
 今年は、以前までファッションイラスト画を採用していたショーパンフレットに代わり、実物のショー作品をフォトグラファーのレスリー・キー(Leslie Kee)が撮り下ろし、千原徹也がアートディレクションを手掛けるスペシャルブック「Super Bunka Fashion(仮題)」を会場で販売する。同誌は、レスリー・キーが手掛ける写真とアートマガジンのシリーズ「SUPER」の特別版として発行。学生の作品だけではなく、世界で活動する同校の卒業生によるブランドの作品も撮影し、同校が現在進行形で生み出している「ファッションの歴史」を俯瞰する。限定500部で価格は税込2000円。
 学生たちによるショー全体のテーマは「eR」。「each(それぞれ)」のeと、「Reborn(生まれ変わる)」のRを組み合わせた造語で、「創立100周年というタイミングを機に、さらにレベルアップして進んでいく」という意志を表現。また、ローマ字読みで「える」と読めることから、「ショーを通して新しい発見や価値観を『得て』より良い未来を繋げていくきっかけになれば」という思いを込めたという。
 ショーは6シーンに分かれて構成し、66人のデザイナーが総数64体のルックを揃える。これまではクラス単位で作品制作を行っていたところを、今回からは科を越えた学生同士のつながりでチームを編成。実際のファッションブランドのフローに近い体制でのショー作りに変更することで、個々人の即戦力としてのスキルアップも目指すという。
 6つのシーンのうちの一つ「Khaos」では、繊維産業が盛んな福井県で衣服生産の全ての工程を完結させる活動を行う「291PJT(福井プロジェクト)」とコラボレーション。学生がデザインした作品の一部アイテムを「Made in FUKUI」の商品として受注販売する。

 また、リボンやテープ、レースなどの企画から販売までを行う服飾副資材メーカーSHINDOとコラボするシーン「cell」では、同社のリボンやテープの魅力をより引き出すため、「今までにない使用方法」をテーマにコンテストを開催。全11ルックの中から選ばれた1ルックを制作した学生は、パリに招待され、2024年2月にパリで開催されるプルミエール・ヴィジョンで作品を展示することができる。
 このほか、シーン「sur fantôme」では、国や地域の違う3つの団体とコラボし、3種のオリジナルテキスタイルを制作。ファッションテキスタイル科の学生が糸の選定から織組織までを作成した上で、プリントを重ねたりリボンを結びつけるなど二次加工も追求したテキスタイルを展示する。

◾️文化服装学院 文化祭2023 ファッションショー日時:2023年11月2日(木)~11月4日(土)9:30~1800(最終日は16:00まで)11月2日 、3日 11:00/12:30/15:00/16:30/18:0011月4日 11:00/12:30/15:00/16:30会場:東京都渋谷区代々木3-22-1 文化服装学院 遠藤記念館(F館)大ホール文化祭特設サイト