トップへ

『るろうに剣心』作者・和月伸宏監修でアニメがさらに進化!? 雷十太先生のバトルに高まる期待

2023年10月22日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

©和月伸宏/集英社・「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」製作委員会

 作者・和月伸宏監修のもと、原作を忠実にリメイクしている完全新作アニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』。10月から第2クールへと突入し、現在は東京編の終盤へと差し掛かったところだ。


(参考:【写真】『るろ剣』ファンなら一度は途中下車するべき燕三条駅をみる


  そして10月12日に放送された第15話「その男・雷十太」では、「日本剣術の行く末を真に憂う者」こと石動雷十太が登場を果たした。今後描かれるはずの緋村剣心とのバトルシーンに、期待が高まっている。


 雷十太は、自らの思想を広めるために道場破りを繰り返す古流剣術「真古流」の指導者。殺人剣至上主義を掲げており、不殺を信念とする剣心とは対照的な存在だ。序盤の敵としてはずば抜けた戦闘力の高さ、強烈な印象を与える名ゼリフの多さなどから、読者のあいだでは“雷十太先生”として熱烈に愛されてきた。


 そんな人気キャラクターの雷十太だが、1996年から放送された旧アニメ版『るろうに剣心』では、設定が原作と大きく異なっていた。殺生にためらいがなく、力ですべてをねじ伏せようとするテロリストとなっていたのだ。


  しかしそれに対して新アニメ版の雷十太は、原作を忠実に再現したキャラクター設定となっている。第15話では剣心に対して「今の剣術のあり方をどう感じておる。惰弱だと感じぬか。貧弱で脆弱だと感じぬか」と問いかけ、同志になるよう勧誘する名シーンが描かれていた。


 そもそも新アニメでは、原作者の和月伸宏がキャラクターデザインやシナリオなどを全面監修している。今後も原作通りのストーリー展開となり、“雷十太先生の真の姿”がアニメ化されることに期待できそうだ。


 なにより和月自身、雷十太に対しては少なくない思い入れを抱いているようだ。インタビューなどでは、雷十太編のシナリオに積極的に修正指示を行ったことを語っていた。しかも原作の内容をあらためて調整する方向性らしいので、もしかすると原作の再現どころか、原作からのさらなる“進化”にも期待できるかもしれない。


ガトリング斎の進化に続いて雷十太先生も……


  実際に新アニメではこれまでにも、原作を再現しつつ進化を遂げるようなシーンがあった。とくに“ガトリング斎”こと悪徳商人・武田観柳に関わるエピソードは、大胆なアレンジが加えられている。


 観柳の代名詞でもあるガトリングガン(回転式機関砲)が出てくる場面では、ユニークなキャラクター性を表現するためのセリフが次々登場。砲撃開始前の「レッツ・ガトリング!」という掛け声や、お縄についた際に「ガトォーッ!」と叫び声をあげる場面が、アニメオリジナルの演出として追加されていた。


 さらに極めつけは砲撃中に「ガトガトガト…」と連呼する姿だが、これは宝塚歌劇団雪組のミュージカル版から逆輸入された演出だ。これは原作の続編にあたる『るろうに剣心 ─ 明治剣客浪漫譚 北海道編 ─』でも取り入れられていたため、和月が宝塚版武田観柳からいかに大きな影響を受けたのか分かるだろう。


 観柳と雷十太はいずれも強烈な個性をもっており、読者から長年愛されてきたキャラクターだ。だとすると観柳が新アニメで生まれ変わったように、雷十太にも力が入った演出が施されるのではないだろうか。


  和月は雷十太に関するシナリオの修正について、バトルシーンにとくに注力したことを明かしていた。その恐るべき戦闘力がどんな風に進化を遂げるのか楽しみだ。


(文=キットぅン希美)