TVアニメ「スペース☆ダンディ」の舞台挨拶付き上映が、本日10月20日に東京・グランドシネマサンシャイン池袋にて開催された。3つのエピソード上映後の舞台挨拶には、ダンディ役の諏訪部順一、QT役の佐武宇綺、ミャウ役の吉野裕行が登壇した。
【画像】2015年ぶりに集結したBBPの諏訪部順一、佐武宇綺、吉野裕行。2014年1月の「スペース☆ダンディ」テレビ放送から間もなく10年を迎えること、そして映像レーベル・EMOTIONの40周年を記念して開催された今回のイベント。揃うのが2015年ぶりだというBBPトリオ役の3人は、それぞれが演じるキャラクターが描かれたコラボTシャツを着て登場した。諏訪部は、以前グッズとして販売されていたダンディのスカジャンを家から着用して会場に赴いたと話す。
3人それぞれが選んだエピソードが上映された今回のイベント。諏訪部はダンディらがDROPKIXというバンドを組む第20話「ロックンロール★ダンディじゃんよ」を選んだと明かす。選んだ理由については、映画館の音響で同エピソードを楽しんでほしかったと語り、「『スペース☆ダンディ』は音楽アニメと言っても過言ではない」と冗談めかして会場の笑いを誘う。その後、過言ではないことを改めて強調し、錚々たるミュージシャンが参加していたことを振り返る。向井秀徳が手がけた第20話の楽曲「かんちがいロンリーナイト」については、向井の特徴的な歌い回しをコピーしながら歌ったと述懐。さらに劇中のように「日本武道館で1曲ライブをやりたかった」と述べると、再び会場に笑いが起こった。
オーディションのときにもらった資料も保存しているというほど作品愛に溢れている佐武。チョイスしたのは1人で小さな小屋に住む宇宙人の少女とダンディが旅をする第5話だと言う。はちゃめちゃな展開が多い「スペース☆ダンディ」のエピソードの中で第5話は「ダンディは本当にいい人なんだな、愛情深いんだなと感じる人間性が出てくるエピソード」と熱く語った。アデリーとダンディの年齢を超えた友情を感じて泣きそうになると続け、大きなスクリーンで観客に観てほしかったと伝えた。
吉野は選んだ第14話について聞かれると、「『スペース☆ダンディ』はよくわからない作品なので」と話し始め、一同は爆笑。さまざまな平行宇宙のダンディたちと出会うエピソードを「あの1本があれば何があっても不思議ではない」と作品のユニークさを改めて感じつつ、諏訪部が少年役、佐武がおじさん役、吉野が女の子役を演じたことなど声優陣の奮闘を振り返った。諏訪部は第14話に登場するキャラクターたちが、キャラクターコンペで不採用になったものだと明かし、「SDGsの先取りですよ」と言うと会場は笑いに包まれた。
作品の魅力を聞かれた諏訪部は「なんでもアリフォルニアなところ」と回答。“思い切りふざける”といったコンセプトが詰まった作品を、才能に溢れるクリエイターが集結して全力で制作していると絶賛した。吉野も制作陣が責任を持ちつつ各話の担当が自由に制作していることを述べる。オリジナルアニメを作ることは簡単ではないと語りつつ「その中でこんなふざけた作品を作るなんてどうかしているぜ」と笑った。
事前に寄せられた質問に回答するコーナーでは、収録が大変だった回について聞かれた3人。佐武がミュージカルのようなシーンが展開する第17話「転校生はダンディじゃんよ」を挙げると、2人も激しく同意する。セリフを録り終わった後に、歌のパートが厳しい監修の中で収録されたという思い出を語った。
最後の挨拶では、吉野が「オタクとしてはブツを残してなんぼですから」と販売されているBlu-rayをPRした。佐武はまたイベントをやりたいと語り「BBPが復活してほしい」と「スペース☆ダンディ」への愛を熱弁。諏訪部は「スペース☆ダンディ」が自分の中での代表作であると言い「お友達、ご兄弟、ご家族、親戚、知らない人に布教いただいて」とアピールしながら、劇場版への夢を語る。会場に拍手が湧く中「最高じゃんよ!」と声をあげ、笑いが絶えない舞台挨拶は幕を閉じた。