昇格すれば仕事が増えたり責任が重くなったりするが、その分の給料も増えると期待する人が多いだろう。愛知県に住む40代前半の男性(素材・化学・食品・医薬品技術職/年収450万円)は、
「管理職になってむしろ毎月の手取りが落ちました」
と明かす。(文:真鍋リイサ)
「最低でも5万円は上がらないと割に合わない」
「昇進前の方が残業代と休日出勤手当は満額支給、休日出勤したら代休を取得しないと怒られる……と圧倒的に手取りも待遇も良かった」
と不満をこぼす。
「基本給と役職手当で額面上での昇給はたったの1万円」で、
「残業代はつかず、上も管理職を優先的に残業や休日出勤でタダ働きさせるため、時給にすると辛うじて最低賃金はクリアしている程度」
「ボーナスの差額で何とか昇進前の手取りに追いつく感じなので、実質給料は同じです」
と明かす。労働基準法では管理監督者には残業代や休日出勤の手当が付かないものとされている。男性の場合はわからないが、近頃は名ばかり管理職も問題になっている。
「昇進に伴って増える膨大な業務量や責任と比べるとあまりにも少なくて、舐めてんのか?と言いたくなります。最低でも5万円は上がらないと割に合わないです」
と男性の怒りは収まらない。これでは管理職になった甲斐がないといっても過言ではないだろう。仕事内容も以前のほうが性に合っていたようだ。
「現場仕事が好きなので、管理職の誘いなど受けずに現場リーダーをしてた方が好きな仕事が出来て、繁忙期以外は家族との時間も取れて有休も取りやすくライフワークバランスが良かったです」
男性のほかにも「管理職になった人は皆後悔しています」と語る。
「役員は基本給も高いので『何でみんな現場リーダー止まりで管理職にならないの?』と不思議そうな顔していますが、そういうところだよ!とキレそうになります」
男性曰く、役員レベル昇格すると相応の給料とボーナスが出るそうだが、「コネ入社の人しかなれないので今の地位が一般社員が行ける上限」であるという。
「何か不祥事起こして降格になろうかという考えが頭をよぎったことも一度や二度ではありません」
と、相当追い詰められているようだ。
「もうバカらしいので転職活動中です」
良い会社に転職できることを願うばかりだ。
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