結婚式に招待した友人に「奥さんと子ども連れていっていい?」と聞かれたら、快諾する人がほとんどだろう。まさか友人との関係がこじれることになるとは思わないはずだ。
広島県に住む40代前半の女性は8年ほど前、30代半ばで挙げた結婚式を振り返る。
「若くなかったのでそれなりにお金をかけました。かかった費用は400万円を超えたと思います」
招待客は65人ほど。職業訓練校で仲良くなり、旅行したこともある気心の知れた友人も呼んだ。友人は当時20代半ばで、すでに結婚して子どももいる。
「結婚式前、その友人が『奥さんと子ども連れていっていい?』と聞くので、お祝いしてくれるならと思い快諾しました」
お祝いしてくれる人が増えれば嬉しいだろう。ところが結婚式当日、友人家族を招待したことを激しく後悔した女性。一体、式で何が起きたのか。編集部は取材を申し込み、一部始終を聞いた。
少なくとも5万円は欲しいところだった
結婚式に妻と子どもを連れてきた友人は、非常識な言動の連続だったという。
「『うちの子ども見て見て、抱いてあげて』とばかり言ってきました。結婚式の最中に言われても、こっちはドレスを着ていて、子どもを抱くなんて無理なのはわかっているはずなのに。それだけでなく『奥さんもかわいいでしょ?』とか言うんです。自分の自慢をしに来るために子どもと奥さんを呼んだのかと。はっきり言って、バカじゃないの?と思いました。呆れるし、何のために来たの?と言いたくなりました」
一生に一度の晴れの舞台、大金もつぎ込んだ。それを台無しにされたら怒って当然だ。しかし女性が憤る理由は、これだけではなかった。むしろここからが本題と言えよう。
「本来なら自分が連れていくと言った家族の分も出すはずなのに、友人のご祝儀は1人分しかありませんでした。ご祝儀を数えた時に『あれ?1人分しかない。数え間違いかな』と何度も数えましたが、どうやっても1人分しかなく唖然としました」
実際にはいくら包まれていたのだろうか。
「大切な友達だからと、料理は1人1万6000円ほど、引出物は5000円くらいかかりました。それなのに友人のご祝儀は1人分の3万円。少なくとも奥さんと2人分の料理、引出物を考えても5万円は欲しかったです。こっちは子ども用の準備や、奥様用の料理引出物など追加してお金をかけて準備したのに……」
そう、かかった費用は料理と引き出物だけではなかったのだ。
「友人の家から会場まで距離は100kmくらい離れていました。そのためお車代と、前泊したのでホテル代も私が払いました。式の準備で忙しい中に友人から連絡があり、子どもは乳児と言われて、ベビーベッドや乳児用の布団も急遽手配しました」
ここまで尽くしてもらっていたら、3万円はおろか、5万円でも少ないだろう。さらに友人は、芳名帳に自分1人分の名前しか書いていなかった。一般的に芳名帳には家族であっても全員分の名前を書くようだ。色々と疑問を抱いた女性は友人に連絡することを決めた。
澄ました顔で「お祝いだから1人分でいいんじゃないの?」
「ごめんね。悪いんだけど1人分しかご祝儀をもらってないんだけど……」
と、友人を傷つけないよう言葉を選んで伝えた女性。すると友人は「個室のある店で話そう」と返してきたという。後日、女性は夫と共に店に行き、そこで改めて「普通は家族分もお祝いを出すはずだよ」と伝えた。ところが、友人の返答は想像を超えるものだった。
「『お祝いだから1人分でいいんじゃないの?』と友人は言いました。ほんとビックリするくらい澄ました顔でした。さらに、当たり前かのように『1人分でなにが悪い?』『家族呼んでいいって言ったのはそっちだよ?』と言われました。しかも友人は、その日の飲食代も夫に払わせたんですよ」
友人は悪いことをしたとは微塵も思っていないようだ。呆れることに、それから毎年、子ども自慢の年賀状を送ってくるそうだ。もちろん、女性は一切の連絡を無視している。
「当たり前のようにご祝儀1人分でいいと思っているような非常識な人とは、憤りを通り越して、縁を切りたいと思いました。もうこんな人と友人関係を続けるのは無理です。今でも思い出しただけでイラッとします」
と痛烈に批判する女性。大枚を叩いた結婚式での出来事とあって、引きずるのも無理はない。ただ、これ以上は精神衛生上良くないので、なんとか忘れられたらいいのだが……。
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