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足立区の不動産情報でやたら見かける「ベルクスタウン草加谷塚まで徒歩〇分」 そんなに重要なポイント? 実際に行ってみた

2023年10月15日 12:30  キャリコネニュース

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先日キャリコネニュースで、足立区に家を購入した40代男性の話を紹介したら反響が大きかった。23区内でありながら一戸建ても夢ではない。選ばなければ1000万円以下で買えるのが魅力だろう。

そんな足立区の不動産情報をチェックしていて何度も目にしたのが「ベルクスタウン草加谷塚」まで徒歩◯分という表記である。

足立区で不動産を購入する際に利点となるこの施設は一体なんなのか。その実態を調べるべく取材班は、足立区へ向かった。(取材・文:昼間たかし)

※その他の画像は関連記事から。

竹ノ塚駅からバスに乗って向かう

写真:昼間たかし

足立区や埼玉県草加市以外で「ベルクスタウン」という名称を知る者は少ないだろう。これはスーパーマーケット「ベルクス」を中心としたショッピングモールの名称である。そもそも「ベルクス」とは何かと疑問に思われるかもしれない。

「ベルクス」は、足立区に本社を構えるサンベルクスが運営するスーパーマーケットのチェーンである。東京都、埼玉県、そして千葉県に店舗を展開している。都内では16の店舗のうち、10店舗が足立区にあり、地域密着型のスーパーとして知られている。同チェーンはショッピングモール型の店舗も手がけており、「ベルクスタウン草加谷塚」もその一つだ。

都心からこの店舗へと向かう場合は東武スカイツリーラインに乗車して竹ノ塚駅で下車することになる。かつて足立区の貧困がクローズアップされていた時代には、様々ネガティブな形で取り上げられていた竹ノ塚駅周辺。しかし今は、いかがわしい雰囲気の店は数を減らし駅前の整備も進んでいる。とりわけ西口にはタワマンもでき、風景がガラリと変わった。

現在駅周辺では大規模な再開発が進んでいるので、あと10年も経てば郊外のニュータウン最寄り駅のように様変わりすることになりそうだ。

竹ノ塚駅西口から「ベルクスタウン草加谷塚」に近い上谷塚バス停まで、東武バスで4分ほど。この短時間で東京都と埼玉県の県境を越える。スーパーへの買い物で県境を越えるというのは少し奇妙に感じるかもしれない。しかし、竹の塚駅より北のエリアは、実質的には埼玉県のような雰囲気が強い。地元の人たちは特に気に留めていないようだ。

走り出したバスはスムーズに進行。足立区と草加市の間にある毛長川の橋を渡ると、すぐに停車した。目の前に「ベルクスタウン草加谷塚」の看板が見える。後ろを振り返れば、川の向こう側は東京都足立区で、こちら側は埼玉県草加市だ。歩道には自転車や徒歩の近所の人たちが絶えず行き来している。県境を越えることは、とても日常的なことのようだ。

バス停から数十メートル歩くとモールに入った。特筆すべきことは、平日の日中であるにも関わらず、駐車場には数多くの車が駐車していたことだ。このエリアは土地が平坦で坂が少ないので、自転車の利用率が非常に高い。しかし、その自転車よりも車の数の方が多く目についた。店舗の前だけでなく、屋上にも駐車場が設けられており、これからも車の利用が多いことがうかがえる。

タワマンエリアに比べ食品は明らかに安い

写真:昼間たかし

その背景には「ベルクスタウン草加谷塚」がファミリー層を主なターゲットとして設計されていることが想像できる。現在、核店舗であるスーパーベルクスを中心にモール内には以下の店舗がある。

スーパー以外の店舗は、「ファッションセンターしまむら」「ベビー・子ども用品バースデイ」「スギ薬局」「うさちゃんクリーニング」「fufu (ヘアカラー専門店)」と、主に子ども用品や生活用品が中心である。子連れや荷物が多いといった理由から、車での来店が便利と感じる客が多いようだ。他にはスポーツジムも入っている。

かつてはコーヒー店も存在していたが、スーパーの一角に位置していた「ベルクス珈琲」は既に閉店しており、跡地のみが残っている。さらに「倉式珈琲店」も10月9日をもって閉店する。ちなみに、倉式珈琲店の跡地は「眼鏡市場」となる予定だ。

買い物の合間にちょっとした休憩ができなくなってしまったが、食品と生活用品が揃う便利な店であることに変わりはない。とにかく核店舗のベルクスが安いのである。いくつかの商品の値段を紹介しよう。ちなみに( )内は、同日筆者がタワマンの取材で訪れた、中央区勝どきのスーパーの価格だ。

キャベツ 199円(299円)
きゅうり 59円(89円)
レタス 149円(199円)
トマト3コ 339円(499円)
もやし 29円(39円)
卵1パック 249円(279円)
納豆 59円(109円)

いかがだろう。とにかくコスパ抜群なのである。ちなみに惣菜や弁当も安くて充実している。少量を購入しバスを待ちながら食べてみた。寿司と焼き鳥に限ってだが……美味い。特に焼き鳥は美味い。

なにより、竹ノ塚駅から「ベルクスタウン草加谷塚」までのエリアを探索して感じるのが以前とは違う空気感だ。かつての暗いイメージは拭い去られ、駅周辺の再開発によりますます住みやすい町へと生まれ変わるだろう。そんなエリアの便利な買い物スポットとして「ベルクスタウン草加谷塚」は非常に便利な存在だ。不動産情報サイトで特筆されるのも、よくわかる。

都会の狭い賃貸でタワマンを見上げて悲しむよりも、こういう土地で暮らしたほうが幸福度は高くなるかもしれない……と思った。