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スマスロ大丈夫? エヴァは不発だし、そもそもいくらなんでも吸い込み過ぎでは?

2023年10月13日 12:40  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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2022年11月から導入され始めた、遊技メダルを使用しない次世代パチスロ機。それがスマートパチスロ。通称スマスロだ。イマイチパッとしない機種が多いのが現状だが、サミーの『スマスロ北斗の拳』は近年稀に見る大ヒットとなった。

導入からかなり長い期間はしっかりと稼働していたので、ホール関係者もスマスロの未来に期待を持てたはず。しかしそのスマスロも、北斗以降は特段のヒットがない。

むしろユーザーの財布のお金を吸う能力だけはやたら高く、有利区間という足かせ自体は残っているものだから一撃2400枚プラスアルファ程度しか出ない事例が頻発。

入れた分だけ出ることは出るが、朝から運良く連チャンしても、大体2400枚に毛が生えた程度で強制終了となる仕組みは6号機時代を引きずっているので、不満も出るようになってきた。

一応、北斗などは有利区間が終了しても打ち手が気付かないうちに次の有利区間がスタートしていて、そのおかげで一撃数千枚も狙えるようになっているが、そういう台ばかりではない。(文:松本ミゾレ)

歴戦のパチスロファンも敬遠

前述のように、いくら連チャンさせる軌道に持ち込んでも、機械の仕組みの都合でこれがぶつ切りにされるのが6号機以降のパチスロの最大の弱点。

そのくせ吸い込みはかつての4号機に近しい台も多く、メダル1枚当たりの推定売上の数字が大きい(これを業界ではコイン単価と呼びます)台も頻発。

僕が以前、こちらのコラムで10万円負けたと報告した『スマスロキン肉マン』もまた、コイン単価は設定1で4.4円。この数字は6号機としては比較的高いもので、荒波スペックであることが数字にもはっきりと出ている。極端な話、10万入れて10万返ってくるような動きを見せるギャンブル台だったのだ。

ちなみに北斗のコイン単価は設定1で3.3枚なので、キン肉マンよりも波はまだ幾分穏やかということになる。そんな、貧乏人にはなかなか手が届かないスペックの機種ばかり登場するスマスロに、先日期待の新台が登場した。それが『Lエヴァンゲリオン~未来への創造~』だ。

コイン単価はやはり高めの4.2円で、簡単に説明すると『ミリオンゴッド』みたいな1/8192のフラグを搭載した、初当たり確率の重い一撃重視型の機種。さらに人気の版権コンテンツであるエヴァを使っていることで、アニメファンやパチンコのエヴァから入ったユーザーを引き込むことも想定したであろうマシンになっている。しかし、このスマスロ版エヴァの評価はすこぶる悪い。

ホールもきついけどユーザーだってきつい

このスマスロエヴァ、圧巻なのが天井性能である。通常、昨今の『ミリオンゴッド』系は天井で強い恩恵がもたらされているというウリがあるのだが、こちらの台は最大天井が1,500G。0Gから打つ場合の推定投資額は46,000円前後となり、天井到達すると成功率50%以上のチャンスゾーンに突入するだけ。

これを失敗すると次回天井は1,000Gに短縮されるが、これも天井までハマれば30,000円以上追加投資する羽目になる。この2度目のCZも失敗すれば、さらに1,000G後にはCZが確約されるが、この場合は成功濃厚。

なのでどんなに運が悪くても、3,500G後には当たりを拝めることができるわけだが、その消化中にも別のCZもあるし、1/8192の直撃フラグも搭載しているという形なので、実際にはそこまで吸い込むことはないはず。

ところが10月に全国的に導入されたばかりの本機は、既にユーザーから敬遠されている。恐らく、最大3500G間当たりを得られないという、最悪の事態に関する情報が独り歩きしている部分もあるにはあるんだろうけど、新台ですらすぐに過疎るというのは、それだけ今のユーザーがスマスロに勝つビジョンを抱けなくなっているというのも大きいのではないだろうか。現に僕も、無くしてもいいお金があるときしかスマスロは触らないし。

友人にも毎日パチスロ三昧の依存症マンがいるけど、そんな彼ですらこの1年近くスマスロを触りまくった挙句「あれは勝てない」と結論付けてしまった。特定の機種がダメなのでなく、スマスロ全体にアレルギーを感じている様子なのだ。

ヘビーユーザーにこれほどまでに恐れられるとは。ま、たしかにスマスロって座ったが最後、上位AT突入まで打とうとすると平気で5万以上使う羽目になりがちなので、気持ちは分かる。しかもこのように感じているのは僕の周囲だけではない。SNS上やネット掲示板でも「スマスロって金がいくらあっても足りない」とする意見は目立つ。

ことのほか「スマスロのエヴァは面白くないし勝てない」という評価は最近多く見るようになった。5ちゃんねるにも「スマスロエヴァの評価wwwww」ってスレッドがあるが、ちょっと書き込みを引用させていただきたい。

「エヴァとATって相性絶対いいのに何で使いこなせないんだよな」
「導入週の土曜で10台誰も座ってなくて草」
「明らかに練り込み不足」

と、こんな具合。擁護の声はない。この機種の導入台数はなんと20,000台。笑っちゃいそうになるぐらい作り過ぎである。

こういう辛すぎるのが誰にでも分かるものが全国に数万台導入されてしまうと、ユーザーは警戒する。パチスロを今の時代にまだやってる、僕のようなバカでも警戒する。

稼働が悪くなると、その導入費用を別の機種で回収しなければならず、ホールも苦しいがエンドユーザーはもっと厳しいといった状態になる。先日はメーカー擁護のような記事も書いたが、やっぱり適正台数を考えればこの20,000なんて数字は無謀だ。

おそらく、このスマスロエヴァを導入すればホールの機歴となって、といった事情があるんだろう。それこそスマスロの北斗はプロモーションにも金を掛けていたし、開発にあたってかなり苦労して初代を再現したであろうこだわりも見ることができる。一方でエヴァのパチスロといえばそもそも期待されてないジャンルの筆頭だし。それを20,000はやっぱり多過ぎる。

無駄なモノづくりだなぁと、新品ピカピカの筐体が全く稼働していない様子を横目に見るたび、僕なんかはそう思っちゃう。

「エヴァでゴッド作ったら売れるのでは?」みたいなコンセプトは面白いのかもしれないけど、そもそもエヴァのスロなんて5号機時代の初期に選択肢がないから受け入れられただけで、それ以降は期待されていないんだから……。