女性の社会進出が進んだと言われる世の中だが、本当にそうだろうか。ガールズちゃんねるに10月上旬、「パート、子供のこと、旦那全てがしんどい」というトピックが立ち、疲弊した主婦の声として注目を集めた。
トピ主は週4日、8時から15時までパートとして働く女性で、2人の小学生の子どもを持つ母親だ。育児や家事だけではなく、パートでは副店長を任され責任が重く、家に帰っても休まらないと嘆く。夫は料理をまったくせず、自分の休日に妻が仕事でもソファーでダラダラしているだけのようだ。トピ主はそうした中で家事をするつらさを訴え、
「旦那と話しても解決策はなく、子どもたちの(習い事の)送迎が辛いというと、『辞めさせればいいししなくていい』、料理したくないというと『買ってくればいい』という極論になります。自分が手伝おうという考えはありません。何だか全てが辛くなりました」
と嘆いている。孤立無援で疲れ切っている様子だ。(文:篠原みつき)
「めちゃわかる!私は平日より休日のほうがしんどい」
週4日とはいえ朝から7時間拘束では、ほぼフルタイムと変わらないのではないだろうか。仕事終わりに習い事の送迎や買い物を終えて、帰宅後は夕飯づくりのほか宿題の丸付けがあり、おまけにPTAの資料作成も負担になっているという。自分のための自由時間も休息もほとんど取れない状況で、夫の協力も理解も得られず苦しんでいるようだ。既婚子持ちの筆者も同様だが、多くの主婦は休日でも家事で休みはほとんどない。
トピコメントの声には、「無能旦那」「離婚しな」など夫に対する批判をはじめ、
「送迎しないで一人で行ってもらう。ご飯買ってきていいなら買ってくる」
「1日だけ家出しよう。誰も死にゃしないよ」
「パートを減らすしかなさそう。お金も必要だけど体力、メンタルとのバランスが崩れてる」
など、疲弊したトピ主に理解を示し、家事や仕事の負担を減らすアドバイスや励ましが多数寄せられた。
「めちゃわかる!私は平日より休日のほうがしんどい」
とダラダラする夫を横目に一人で休日の家事をこなす辛さを訴える人も。トピックは2000以上のコメントがつく盛り上がりを見せ、似たような状況で共感した女性が多いことがうかがえた。
パートだと「共働きって認識も薄いから家事押し付けられがち」
ただ、仕事や子育てを「楽にする」ために女性ばかりが妥協したり調整したりするのはどうなのか。トピ主は子どもたちの好きなことや将来を考え、塾やピアノなどをやめさせたくはないという。学校から帰宅に時間がかかるため送迎は必須で、先々を思えば仕事を減らすのも金銭的に厳しいようだ。
他方、パートだと「旦那からすると共働きって認識も薄いから家事押し付けられがち」という声もあり、結局は仕事を辞め専業主婦になったという声もチラホラあった。「多分主さんの旦那タイプは何言っても無駄だから、アドバイスのしようがない…」という声に賛同も多く、諦めムードも漂っている。
OECDのデータによれば、日本は先進7か国の中で男女の賃金格差が最も大きい。女性に家事育児負担が偏り、時間的な制約により役員登用されにくい、男性より非正規雇用が多いといった問題が依然として横たわっている。
男性の理解や家事育児参加が進めばいいことは分かっていても、夫も長時間労働でしんどいという状況はある。もちろん世代や個人によって意識の差はあるが、かねてより女性活躍推進や男女平等が謳われるほど進んでいない現実が見て取れた。