Text by CINRA編集部
『NHKスペシャル“宗教2世”を生きる』が放送される。
同番組はみずからを「宗教2世」と呼び、様々な形で声を上げ始めた人たちを、長期取材によるドキュメンタリーと当事者の実体験に基づくドラマで描くもの。ドキュメンタリー編「“信じる・信じない”を越えて」(仮)が10月29日21:00から、ドラマ編「神の子はつぶやく」が11月3日22:00からNHK総合で放送される。
ドラマ編の主人公は、ある宗教を信じる家庭に生まれ、幼少期から「神の子」として育てられてきた姉妹。熱心な信者である母親に、学校でのつながりや部活、カラオケなどの楽しみを禁じられ、姉妹の心は成長と共に窮屈に縛られていくが、父が病で命の危機を迎えたとき、それぞれの「信じる」気持ちが壊れ始めるというあらすじだ。脚本は川恵実、野田慈伸、柴田岳志、音楽は清水靖晃が担当。柴田は演出も手掛ける。
主人公の木下遥役に河合優実がキャスティング。母親の木下愛子役を田中麗奈、遥の妹の木下祈役を根本真陽、宗教を信じていない父・木下信二役を森山未來が演じる。そのほか、杉田雷麟、岩男海史、吹越満、萩原聖人、渋川清彦、酒井若菜が共演。
【柴田岳志のコメント】
誰にでも起きうる物語
このドラマは、“宗教2世”とその家族に話を聞くことから作っていきました。
“信仰”という親の価値観を強いられ、幼い頃から社会との関わりを制限されて育った子どもたちが抱える深い葛藤。一方、親はなぜ宗教を信じるに至ったのか。そこから見えてきたのは、今の社会で生きづらさを抱えながらも相談相手もおらず悩む女性たちの姿。そして宗教がその“受け皿”として機能しているという側面でもありました。
これは、特殊な人達の話ではなく、誰にでも起きうるかもしれない、そんな物語です。